『TVアニメ「勇気爆発バーンブレイバーン」公式サイト』より

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1月11日から第1話が放送された新アニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』では、視聴者の予想を裏切るハチャメチャな展開が終盤に待っている前衛的な内容だった。

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各国軍が集結するハワイ・オアフ島が舞台の本作。メインキャラである陸上自衛隊所属のイサミ・アオ、アメリカ海兵隊所属のルイス・スイミロボット達がロボットを操縦しながら、ドンパチやり合う演習シーンから物語はスタート。アニメ『スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター-』の監督を務めるなど、日本のロボットアニメを支えてきた巨匠・大張正己氏が監督を務めており、CGを駆使したロボットのハイクオリティな動きに見惚れてしまう。

和やかな雰囲気のまま中盤に差し掛かると、謎のロボット達が突如襲来したことによって事態は一転。パイロット達は迎撃に努めるが、敵の数が多く、それでいて敵一体の戦闘力も高く防戦一方となる。操縦スキルの高いイサミやルイスも戦場に赴くが、一切歯が立たずに絶命寸前。穏やかな日常が急に崩れ始める『進撃の巨人』1話を思わせるような、絶望感が作品内に漂う。

周囲は焼け野原となる中、敵本体と思われる巨大なロボットからビームがイサミに向けて放たれる。イサミの死、さらには人類滅亡を予感した直後、ブレイバーンと名乗るロボットがイサミの前に現れてビームを防ぐ。そして、ブレイバーンは「待たせたなイサミ、助けに来たぞ」と声をかけ、「さあ私に乗ってくれ」という。死んだかと思ったその刹那、自分の名前を知っている謎のロボットの出現に頭の処理が追い付かず、困惑するイサミ。

ブレイバーンは「私に、私の中に乗ってくれ」「早く乗るんだ」と今度は語気を強めてイサミを自身の体内に入れ、イサミに自分を操縦するように指示を出す。すると、ブレイバーンの声優を務める鈴村健一が歌う『ババーンと推参!バーンブレイバーン』がBGMとして流れ出し、“バーンブレイド”という剣を振り回しながら敵のロボットを次々となぎ倒していく。

その様子は爽快感があり、急に流れた『ババーンと推参!バーンブレイバーン』に対し、「さっきから何なんだ、この歌は!」と叫ぶイサミのツッコみも切れ味抜群。最後には敵の本体を一刀両断した後に画面右側に来て、剣を下に振り下ろすのと同時に敵が爆発する、というカッコ良すぎる“勝利ポーズ”を見せた。

ブレイバーンが登場する数分前後では、もはやテンションも内容も別アニメ。とはいえ、ただ単にラストでひっくり返したわけではない。前半から中盤にかけてアニメーションのクオリティや作中の雰囲気づくりが徹底されていたからこそ、多くの視聴者を“騙す”ことができたのだろう。また、ブレイバーン登場以降はそのクオリティがさらに上がっており、“ネタアニメ”ではないことを示す1話となった。

『勇気爆発バーンブレイバーン』が後半で超展開を見せることはある程度予想していた。『勇気爆発バーンブレイバーン』はCygamesPicturesが制作スタジオのオリジナルアニメであり、同社はCygamesの子会社。Cygamesが制作に携わったオリジナルアニメと言えば『ゾンビランドサガ』『アキバ冥途戦争』などが挙げられる。

『ゾンビランドサガ』ではアイドルを目指す女子高生・源さくらが1話早々に交通事故に遭って死亡。ゾンビとして蘇生。ゾンビということを隠しながらアイドル活動することを命じられる怒涛の展開。1話後半はライブ出演したさくら達がステージに立つとメタル調の曲『Temptation from the Hell』が流れる。さくら達は歌うことはできずに終始シャウト。さらにはゾンビの身体を活かしたありえない角度でのヘッドバンキングを披露して、最終的にはさくらは客席ダイブをかましてステージを沸かせた。

また、『アキバ冥途戦争』の1話では、メイドカフェ・とんとことんで働き始めた新人メイド・和平なごみが“鉄砲玉”としてライバル店・チュキチュキつきちゃんに送り込まれる。そこで同行していた万年嵐子がチュキチュキつきちゃんのメイドを1人銃殺したことによって戦闘シーンが急に開始。

そして、先輩メイド・柊結夢が歌う『純情メイドぶっころ主KISS』に乗せながら、軽快に嵐子はメイド達をテンポ良く殺していく。特にサビで相槌のように銃を打って血しぶきを吹かせており、何とも言えない中毒性の高いバイオレンスな光景となった。

音楽を使った後半の畳みかけはCygamesのオリジナルアニメの定番ではあるが、それは音楽、演技、アニメーションなどの様々な要素が高い次元で噛み合ってこそ成立する。続きを楽しみにしたい作品だ。

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