来年1月14日と3月3日にはソロコンサートも開催する小嶋花梨

写真拡大

NMB48のキャプテン・小嶋花梨が自身のYouTubeチャンネルにて独自の企画をスタートさせている。その企画とは、様々な企業の社長と対談するという、なかなかチャレンジングなものだ。グループをまとめる立場になって約5年。社長たちから得た知見をアイドル業に活かそうと奮闘している。この経験を経て、2代目キャプテンはどのように変化したのか(前後編の前編)。

【写真】小嶋花梨の撮り下ろしカット【5点】

──YouTubeで一般企業の社長さんたちとの対談企画を始めましたが、その経緯は?



小嶋 アイドルを8年やってきて、この活動を通して得た知識はたくさんあるんですけど、一般的な24歳と比べてみると、外の世界のことは何も知らないんです。アイドルをやっていると、立場的に関われない方々がたくさんいます。プライベートで接点を持つことはできないですから。だったら、その接点を仕事として発信するという形で作れないかなと思ったのがきっかけでした。

──ということは、ご自身の考えが大きかった?



小嶋 マネージャーさんと自分のビジョンを相談しているうちに、自分に足りないところはそこかなという結論に達しました。アイドル活動をしながら学べることをやっていこうと思って。

それに、ビジネスで成功されている社長さんにお話を伺うことで自分がキャプテンとしてグループに持ち帰れることがたくさんあるんじゃないかと思ったのも大きかったです。2年くらい前からビジネス書を読みながら、NMB48がどうしたら組織らしくなっていくかって考えてきたんですけど、実際にお会いする方が、よりリアルなお話に出会えると思いました。

──教室から飛び出して、課外授業に出た感じですね。



小嶋 まさにそうですね。私は16歳でNMB48に入ったんですけど、社会を体感したことといえば、それ以前のバイト経験しかないんです。半年間、焼き鳥屋さんで働いたんですけど、高校生がお酒の銘柄を言われてわかるはずもなく。注文さえ受けられないダメバイトでした(笑)。興味がないことは頭に入ってこないんです。

──自ら興味を持って話を聞くと、頭への入り方が違うでしょうね。



小嶋 社長さんのお話は共感できることが多いので、すっと入ってきますし、楽しいです。

──企業選びはどのようにしていますか?



小嶋 今はジャンルを問わずにお会いしています。飲食店、洋服、物流ビジネス……。本当にバラバラです。自分の知識を増やすために始めたことなので、分野を狭めないように心掛けています。自分から電話をしたり、DMをお送りしたりして、オファーさせていただいています。

──話を聞いていて、感じることは何かありますか?



小嶋 皆さんの考えがそれぞれあって、正解ってないんだなということがわかってきました。ただ、共通していることがあります。それは、どの社長さんも心が広くて、明るくて、楽しいんです。こういう人柄だから、社員さんがついていくだろうし、会社として成長するんだろうなって思いました。

2年くらい前の私は、メンバーに真面目な話をする時、どうしても暗いムードになってしまっていました。社長さんのお話を聞いているうちに、それではいけないと思うようになって、アドバイスする時は、メンバーの気持ちを上げながら伝えないといけないんじゃないかと、マインドが変わってきました。

──そうすると、メンバーも変わっていくのでは?



小嶋 今年の周年ライブで感じたのは、今まで以上に意見を出してくれるメンバーが増えてくれたということでした。キャプテンである私や先輩メンバーが引っ張るという図式ではなくなってきたのは、いい傾向だと思います。

もうひとつ挙げるなら、今年のツアーでAKB48さんの『僕たちは戦わない』に挑戦したんですね。この曲のダンスは本当に難しくて、どのメンバーも踊れなくて、曲中に泣いてしまう子もいたほどでした。みんなしんどいし、愚痴や弱音も聞こえてきました。でも、気がついたら、全メンバーが大声を張り上げてリハーサルをしていたんです。

この曲を絶対に披露したい。カッコよく踊ってみせたい。みんなが同じ気持ちになり、ひとつになっていました。こんな感覚になったのは初めてでした。この何年かで渋谷凪咲さんと話してきたテーマである「泥臭く、がむしゃらに」というグループのテーマが結実した瞬間だったと思います。

【後編はこちら】渋谷凪咲卒業後のNMB48はどうなる?小嶋花梨「私らしく“数打ちゃ当たる”精神で進んでいく」