by Harlan Thomas

写真家のハーラン・トーマス氏がカナダ・アルバータ州で「オレンジ色のオーロラ」の写真を撮影することに成功しました。オーロラは大気中の原子や分子から色を得るため、通常、オレンジ色になることはないのですが、太陽嵐の影響でこのような光景を見られる環境が整ったと考えられています。

Spaceweather.com THE MYSTERY OF ORANGE AURORAS

https://www.spaceweather.com/archive.php?view=1&day=25&month=10&year=2023

Solar storm causes 'impossible,' pumpkin-colored auroras to fill the sky | Live Science

https://www.livescience.com/space/the-sun/solar-storm-causes-impossible-pumpkin-colored-auroras-to-fill-the-sky

オーロラは、宇宙から地球に降り注いでいるエネルギー粒子が大気中の原子や分子に衝突することで色を生み出しています。一般的に知られるオーロラは緑色ですが、これは酸素原子の色で、高度が高いところだと同じ酸素原子でも赤色になります。



by Mbz1

2023年10月19日に写真家のハーラン・トーマス氏がアルバータ州で撮影したのは、これまであまり知られていない「オレンジ色」のオーロラでした。

Orange Auroral Pillars



宇宙に関するニュースを扱うspaceweather.comによると、理屈の上では、窒素や酸素がオレンジ色の波長の光を出すことはあり得るものの、同時に生成されうる他の色に比べて弱いため、見える光にはならないとのこと。

ノルウェーにあるベルゲン大学のオーロラ物理学者、ケルマール・オクサヴィク氏によると、写真の上方に写る赤いオーロラは高高度(高度200km〜400km)で低エネルギーの電子が酸素原子と衝突することで形成されるもので、写真下方にある緑のオーロラは低高度(高度100km〜150km)で高エネルギー電子が酸素原子と衝突することで形成されるものだとのこと。

今回は直近で太陽のコロナ質量放出(CME)による太陽嵐が地球に衝突。そのために生まれた赤いオーロラと緑のオーロラが重なり合うことで、オレンジ色のオーロラであるかのように見えたのだとオクサヴィク氏は説明しています。

なお、2003年のハロウィンの時期にも同じような強力な太陽嵐が発生し、同じようにオレンジ色のオーロラが北アメリカや北ヨーロッパで観測・報告されたとのことです。