アジア大会50メートルバタフライで銅メダルを獲得した池江璃花子【写真:Getty Images】

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感動を呼んだ場面について張雨霏が吐露

 杭州アジア大会は29日、競泳女子50メートルバタフライ決勝で池江璃花子が銅メダルを獲得した。メダルセレモニーの後、25秒10の大会新記録で優勝し、大会6冠を達成した中国のエース・張雨霏と涙ながらに抱擁。長年、ライバルであり友人として切磋琢磨し、池江が白血病から復帰した後も張雨霏は常に励ましてきた。大きな感動を呼んだ場面について、張雨霏は自身も涙した理由を語り、「彼女は凄い、本当に凄いんです」と繰り返して称えた。

 表彰式終了後、プールサイドを通過する際、コーチの前で立ち止まった池江は涙した。すると、それに気づいた張雨霏も想いがこみ上げたのか、涙をこらえきれず、池江を抱きしめた。心温まる光景に会場は拍手に包まれ、中国メディアが「張雨霏と池江、涙の抱擁」などとこぞって報じ、話題になった。

「澎湃新聞」が紹介したレース後のインタビューによると、張雨霏は「彼女がコーチと抱き合って、泣いていたんです」と状況を振り返った。「私はもともと、表彰台の上にいるときにすでに、池江は本当にとてつもないことをしていると思って、気持ちが動いていたのですが、振り返ったら、彼女がもうコーチと抱き合って泣いているじゃないですか。それで、私ももう我慢できなくて……」と気持ちが抑え切れず、涙したのだという。

 さらに「大会前、彼女は取材に対して、メダルを1つ獲りたいと言っていました。前のアジア大会の天才的選手、MVPが、今回の大会では目標は表彰台に上がることだとだけ言っている。それに彼女はここに来て、翌日から体調を崩して、状態が悪かったのです。だから、私もとても残念で悔しい想いでした」と思いやった上で「それが、最後の試合の日についに表彰台に上がることができたのですから、本当に凄いと思います。本当に凄い、本当に凄い」と繰り返し、称賛した。

 池江は小さなパンダを持っていたが、張雨霏がプレゼントしたものだという。「大きいのを買いに行く時間がなかったから、持っているのをあげると彼女には言ったんです」と打ち明けた。

(THE ANSWER編集部)