50代、60代と年齢を重ねるなかで、服装や考え方、生き方も無理なく楽しくアップデートしていきたいもの。

そんな風に考える人に向け、自身も還暦を迎えたファッションのプロ・地曳いく子さんが行き着いた、「がんばらない」おしゃれ論をまとめた『60歳は人生の衣替え』(集英社)が今、話題です。

ここでは、60代以降の「靴問題」について、抜粋してご紹介します。

Over60、靴問題の解決策

これも私の本では何度も申し上げているのですが、おしゃれに見えるか見えないかの境目は、なんといっても靴です。いくら、トレンドものを着ていても靴がイマイチだと残念なことに。Over60はとくに、「靴問題」に悩んでいる方が多いように思います。

私が通っているジムはかなり年齢層が高めながら、おしゃれ偏差値が高い方々ばかり。それも、トレンドに走りすぎずベーシックですてきなスタイルです。

その、ジムに来るシニアの方々が、去年の夏、ロングワンピースにシンプルなフラットサンダル、それもTevaやビルケンシュトックなどを選ばれていて、みなさんすごくおしゃれでした。ご近所の方が多いので浴衣につっかけ感覚なのかもしれませんが、シンプルなユニクロなどのロングワンピースでも、足もとに気を遣っているとかなりおしゃれさんに見えるのです。

●Over60の靴選びで大事なポイント

お姉さま方のビルケンシュトックのサンダル率が急に上がったのは、トレンド性だけではなく履きやすさも抜群だからでしょう。ソールのクッション性だけではなく、ベルトを自分の甲の高さに合わせて調整できたり、足の幅もレギュラーとナロー(スリム用)が選べるのも、選ばれている理由だと思います。

Tevaのサンダルも同様で、足全体にフィットさせられるよう甲のストラップで調整できます。ソックスと合わせてもかわいいですしね。買ってきたままではなく、調整して自分の足に合わせるのは、Over60の靴選びで大事なポイントです。

●お気に入りの靴の数を絞って丁寧にケア

私は、数シーズン履き続けてゆるんでしまったビルケンシュトックのサンダル・アリゾナのベルト部分に、自分で穴をあけてフィットさせています。自分でできない、無理! という方はミスターミニットなど街の靴修理屋さんで相談してみてください。

最近あまり履かなくなってしまったとはいえ、フォーマルな席でお世話になるヒールのすり減りにも要注意。おしゃれに見えないだけでなく、歩くときにバランスがとりづらくなるので、下手をしたらバランスを崩したまま歩くことになり、腰にきて体を壊します。

踵がすり減ってヒールの金属部分が出てしまい、歩くときカツカツうるさい音がするのも悲しいですよね。ローヒールでも踵部分の交換はお早めに。

私が小さい頃は家のすぐ近所にあった行きつけの靴屋さんがなんでも直してくれましたが、今ではそういった職人さんは減ってしまいました。足は体全体の体調に関わるほど大事。ぜひよいリペアショップを見つけて、最初のひと手間と履き続けたあとのお手入れの手間をおしまないでくださいね!

どんなにたくさんの靴を持っていても、冷静に考えたら、そのシーズンによく履く靴はせいぜい3足、多くても4足くらいではありませんか? よっぽど靴が好きな方以外、シーズンごとにお気に入りの靴の数を絞って丁寧にケアするのは、おしゃれと健康への正しい投資だと思います。

地曳いく子さんの『60歳は人生の衣替え』(集英社)は、こちらの記事で紹介した以外にも、年齢を重ね、おしゃれも生き方も“衣替え”するためのアイデアが満載の一冊です。