井上尚弥に敗れたスティーブン・フルトン【写真:荒川祐史】

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エイドリアン・ブローナー「ステフに言いたい。顔を上げろ」

 25日に行われたボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦で、挑戦者の井上尚弥(大橋)が2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に8回TKO勝ちで4階級制覇を達成。一方、完敗で敗れたフルトンには一部のファンから心無い声が浴びせられていたが、同じ米国の元4階級王者エイドリアン・ブローナーがこれを猛烈に批判している。

 英ラジオ局「トーク・スポーツ」のマイケル・ベンソン記者は自身のツイッターで、ブローナーが自身のインスタグラムで投稿した映像を紹介。それによると、ブローナーは激しい口調でまくし立てている。

「何も言うつもりはなかったが、言わなければならない。たわごとを投稿している奴らをたくさん見た。『彼(フルトン)はボコボコにやられた』『スティーブンは全然だった』みたいな。そんなことを言ってる奴らは人生で一度もボクシンググラブをはめたこともないような奴らだ」

 完敗でプロ初黒星を喫したフルトンに対する批判に憤慨。「リングに入ったこともなく、もちろんとんでもない野郎(井上)、世界クラスのボクサーを相手にしたこともない」と続け、井上クラスのボクサーと戦うことに厳しさを訴えた。「奴らはストリートファイトをして、めちゃくちゃにやられるような奴らと一緒だろう」と斬って捨てた。

 そして、フルトンに向け「だから、俺はステフ(フルトン)に言いたい。顔を上げろ。こんな批判で落ち込むなよ。こんな批判で落ち込んじゃいけない。週末、ベガスで会おうぜ。来てくれよな」と言い、今週末にラスベガスで行われるテレンス・クロフォード―エロール・スペンスJr.戦の会場で会おうと呼びかけた。

「俺のようにお前をまだ愛している人はいる。変わらず愛してるぞ、前よりもな。お前はライオンの心を持っている。お前は諦めなかった。お前は諦めずに戦い続けた」と最後までフルトンを擁護し、勇敢に戦った母国の盟友を称えていた。

(THE ANSWER編集部)