姉ヴィルシーナはヴィクトリアマイル連覇達成 注目の血統馬エヴァンスウィート
厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第8回:エヴァンスウィート
国内屈指の繁殖牝馬が今年も楽しみな若駒を送り出す。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するエヴァンスウィート(牝2歳/父スワーヴリチャード)である。
優秀な繁殖牝馬である同馬の母は、ハルーワスウィート。これまでに多くのGIウイナーを生み出してきた。
エヴァンスウィートの姉には、ヴィクトリアマイルで連覇を達成したヴィルシーナがいる
2012年生まれのシュヴァルグラン(牡/父ハーツクライ)は、3歳秋からメキメキと力をつけて古馬になってから重賞戦線で活躍。GIレースでも何度となく馬券圏内(3着以内)に入る好走を繰り返して、5歳秋のGIジャパンカップ(東京・芝2400m)でついに戴冠を遂げた。以降も、GI有馬記念(中山・芝2500m)やGI天皇賞・春(京都・芝3200m)、海外GIのドバイシーマクラシック(UAE・芝2410m)などで、上位争いを演じている。
そして、2013年生まれのヴィブロス(牝/父ディープインパクト)は3歳秋にGI秋華賞(京都・芝2000m)を制覇。翌年の春には、海外GIのドバイターフ(UAE・芝1800m)で勝利を飾って、その名を世界に轟かせた。
これら輝かしい結果を残してきた兄姉を持つエヴァンスウィート。注目度が高くなるのは当然と言えるが、実際のところ、管理する厩舎スタッフの評価はどれほどのものだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。
「エヴァンスウィートについて友道調教師に話を聞くと、『奥手のタイプが多い一族だが、この馬に関しては小柄で早い時期から動けそうな雰囲気』とのこと。『ここまでの稽古の動きもよく、スピードとパワーを兼ね備えている』と、血統に違わない高評価の口ぶりでした」
さらに距離適性については、こんな話が聞かれるようだ。トラックマンが続ける。
「距離面についても訊ねてみると、『ある程度長いところも対応できそうなイメージ』と友道調教師。『デビュー戦はマイルの予定だが、一番の適性はそれよりも長い距離になるのではないか』という見立てです。調教に乗っているスタッフも『乗り味がいい』と絶賛しており、初戦から楽しみです」
デビュー戦は7月22日の2歳新馬(中京・芝1600m)。鞍上は坂井瑠星騎手が務める予定だ。
GI馬となった兄や姉に続いて、エヴァンスウィートも大舞台で輝くことができるのか。初陣での走りに注目したい。