本田望結インタビュー
『ワンピース・オン・アイス』前編

アニメ『ワンピース』がフィギュアスケートに! そんな史上初の試みで、本田望結はナミ役を演じる。
6月、宇野昌磨(ルフィ役)、織田信成(ウソップ役)とともに『ワンピース・オン・アイス〜エピソード・オブ・アラバスタ〜』の記者発表に臨んだ本田望結。自らの『ワンピース』への想いや手に入れたい能力などを聞いた。

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ナミが「好きすぎる」という本田望結が意気込みを語った

――最初に『ワンピース』との出会いを教えてください。

本田 アニメや映画ですね。2004年生まれなので、生まれた時から当たり前のように(『ワンピース』が)あったので、マンガとかそういう感覚というよりは、ルフィたちは人として、歴史上の人物のような偉大な存在という感覚でした。でも、それがすごいと思っていて。ドンピシャの世代じゃない私たちや、私たちよりずっと年下の子どもたちでも『ワンピース』は絶対知っているんです。そんな日本を代表するアニメは、海外のスケーターたちもみんな知っているので、『ワンピース』の話が世界共通の言葉のような感覚で。それくらい大きな存在ですね。

――『ワンピース』が海外でも知られているんだと実感した瞬間とはどういう時でしたか?

本田 海外に合宿などで行っていたので現地スケーターに日本のお菓子とかをあげたりするんですけど、その時に日本のアニメのことを聞くと、他の人気アニメの名前と一緒に必ず『ワンピース』とみんな言うんです。「え、『ワンピース』好きなの? 誰が好き? ルフィ? ナミ?」と盛り上がったりして、あ、英語通じる!みたいな(笑)。『ワンピース』の話題だとみんなと会話ができるんです。バラエティなどの番組でも海外の方に「日本と言えば?」と聞くと、やっぱり「桜、富士山、あと『ワンピース』が好き」とみんなが言うんです。今回も海外の友達に「今度『ワンピース』のショーをやるよ、来てね」と言うと、わざわざ日本まで来てくれるんじゃないかなと思うくらいのパワーを持っていて。そこがこの作品のすごいところだなと思います。

――その『ワンピース』の魅力は、どんなところだと思いますか?

本田 やっぱりハートですかね。気持ち。誰かのためを思ったら何でもできるんだな、と。言葉は悪いですが「馬鹿力」みたいな。自分で想像していなかった力が出る瞬間って誰でもあると思うんです。それこそフィギュアスケートでもそうですし、たとえば、誰かを助けたいと思った時に、ふだんなら何百キロもある重さは持ち上げられないのに、その時は「馬鹿力」のようなものが働くという瞬間ってあると思うんです。そういうものを『ワンピース』では感じられて、仲間を思うと自分が持っている以上の力を出せるんだということを、いつも学ばせてもらっています。教科書ですよね。仲間でも恋愛でも家族でも、絆や友情という思いが性別関係なく生まれて。悪いことをしたらダメと言ったりちゃんと謝ったり、応援する時は大きい声を出したり、そういう当たり前のことを全部『ワンピース』から学びました。小さい子ども向けのアニメとかではなく、全世代が見るべき教科書なんじゃないかなと思うくらい、何もかもの「当たり前」を教えてくれる作品だと思います。

――大人になってから見ても感じるものがありますよね。

本田 そうなんです! ちょっと忘れちゃっていたような気持ちに気づかせてくれるじゃないですか。私はまだ19歳ですけど、もうちょっと経ってからまた見たら全然違う感じ方になると思うんです。それが今から楽しみですね。小さい頃に感じた『ワンピース』のカッコよさが、大きくなると全然違うように見えたりするのが生きているなと実感する瞬間だと思うので、はやく年齢を重ねて『ワンピース』を見てどう感じるのかを知りたいですね。

――先ほど友情や家族の絆というお話がありましたが、演じられるナミはとても家族思いのキャラクターですよね。そして本田選手もとても家族を大切にしている様子がSNSなどから感じられます。ナミと共通しているなと感じる部分はありますか?

本田 ナミのことはもちろん、ナミ以外でも家族のことを大切にしている人は素敵だなと思います。家族の誕生日などを忘れずに「おめでとう」と伝えたり、ささいなことでも忘れずにいられる人は素敵だな、好きになっちゃう!と思うくらい(笑)。そういうところに私はグッとくるので、そういう気持ちをとても大事にしているナミを私は特別に大好きですし、ナミに限らずどんな方でも家族を大事にしている方はすぐ好きになっちゃいますね(笑)。

――では、『ワンピース』と言えば悪魔の実ですが、どの悪魔の実を食べてみたいですか?

本田 作中にある悪魔の実なら、『メロメロの実』(絶世の美女で海賊女帝と呼ばれるボア・ハンコックが食べた悪魔の実)を食べてみたいです! みんなを虜にするパワーがあったら絶対最高!と思いますね(笑)。小さい頃から身体が柔らかいから、自分には『フニャフニャの実』の能力があると思うんですけど、もしあれば食べてみたいのは『ネムネムの実』かな? その実を食べたら、少し寝ただけで8時間寝たのと同じくらい体力が戻る能力があればいいなって。寝なくても元気でいられる体力はあるんですけど、本来は8時間くらいしっかり睡眠をとったほうがいいと思っているので。

――それは切実にほしいですね。

本田 ですよね(笑)。この実は本当にほしい!と思いますね。寝ている時間がもったいないと思ってしまうんですよ。8時間寝る時間があるのなら、他に何かできることがあるかもと思って夜な夜な勉強したり、何かを覚えたりしてしまうんです。

――以前、お姉さんの真凜選手も似たようなことをおっしゃっていた記憶があります。

本田 ふたりとも寝なくても元気に活動できてしまうタイプなので、体調が少し悪いときでも、それに気づかないまま動けてしまうんですよね。ただ、無理をしてしまうことはよくないですし、それはとても怖いことなので、「ちゃんと睡眠はとろうね」と話すことがあるくらいです。体力があるからこその悩みなので、そういう実があればいいなと思います。

後編に続く>>『ワンピース』のナミを演じることがまだ信じられない「好きすぎて...」

PROFILE
本田望結(ほんだ・みゆ)
2004年6月1日生まれ。京都府出身。4歳で芸能界デビューし、ドラマ、CM、映画などに出演。フィギュアスケーターとして、2018年全日本ジュニア選手権や西日本ジュニア選手権などに出場。『ワンピース・オン・アイス』では、姉・本田真凜(ビビ役)とも共演。