多くのオマージュが生まれる元となった竹内えりかさんのツイート

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「慶應義塾大学法学部法律学科」――ミス慶応ファイナリストの学歴を掲げた自己紹介が、ツイッターで大ブームを生み出した。学歴とともに自分らしい写真を紹介するオマージュ投稿が相次いだのだ。

J-CASTニュースは2023年6月21日、オマージュ投稿を行った大学生と、発端となったツイートを投稿した慶應義塾大学4年生の竹内えりかさん(23)に取材した。

投稿から2年越しに大ブーム

竹内さんは21年7月9日に冒頭のツイートを投稿した。写真は、慶應義塾大学三田キャンパスの東門付近で撮影された。赤レンガを背景に、ストリート風のコーディネイトを着こなす竹内さんが写っている。

このツイートは投稿当時も一部で話題になったが、その2年後に再び話題になる。大きな注目を集めるきっかけとなったのは、沼に浸かりながらピースサインを送る女子大生のオマージュ投稿だ。

「大阪公立大学農学部緑地環境科学科」

写っているのは、ツイッターユーザーのいぬおまるん(@inuinuomaru)さんだ。派手な髪色のツインテール姿でつなぎを着用し、ドジョウなどが生息する沼に浸かるというギャップが話題になった。友人であるkaishaku(@kai_66443322)さんが23年6月16日に投稿した。

このツイートには、「金髪ギャルが沼にはいってるのさすがに好きすぎる」「絶対楽しいじゃんこんなの」など好意的な感想が寄せられたほか、1万3000件を超えるリツイート、16万2000件の「いいね」を超える大きな反響を呼んだ。

取材に対しいぬおまるんさんは、授業の一環で学内の池に生息する昆虫類や魚類を観察していたと説明する。大きな反響があったことについては次のように受け止める。

「こんなにもたくさんの方に見ていただけると思っていなかったのでびっくりしていましたが、このツイートで大阪公立大学や、農学部の良さや楽しさをたくさんの人に伝えることが出来たなら嬉しいなと思っています」

本人も大喜び「我こそは一番乗りだという方は名乗り出てほしい」

いぬおまるんさんの写真を紹介したkaishakuさんによれば、投稿以前から竹内さんのオマージュはあったという。相互フォロワーがオマージュを投稿しているのを見かけ、話題性がありそうな後輩・いぬおまるんさんの写真を紹介した。kaishakuさんは「想定していた何十倍も反響を呼び、驚いている限りです」と振り返る。

この投稿を機にツイッターでブームが加速。河野太郎デジタル担当相や作家の乙武洋匡さん、駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバさんなど、著名人の間でも流行した。

こうした現象を、元ネタとなった竹内さんはどのように受け止めているのか。取材に対し、こう話す。

「皆さんが反応してくれて非常に嬉しいです。投稿した瞬間から反響を呼んでいた投稿ですが、2年越しにバズったことには驚きました。普段は大学生で一般人の私ですが、普段関わることがないような著名人の方々までも波に乗ってくれて嬉しいです」

お気に入りのオマージュは自身のアカウントでもリツイートしている。いぬおまるんさんの写真については「金髪のかわいい子が一生懸命に大学生活に臨む様子が素敵だと感じました!」と喜ぶ。最初に真似し始めたユーザーについては把握できていないそうで「我こそは一番乗りだという方は名乗り出てほしい」と話す。

改めて自身の投稿を見直すと、服装や雰囲気が今より「若いな」と感じているという。現在は黒髪ロング姿に様変わりしている。

「美容室に行くのがめんどくさくて髪が伸びてしまいました(笑)それからは今まで挑戦してこなかった、流行りの韓国風ファッションやメイクも楽しんでいます」

枠にとらわれない「自分らしさ」を表現したかった

竹内さんは大学2年生のときに「ミス慶応2020」に出場し、ファイナリストになった。話題のツイートはイベントが終了し、少し経ったころに投稿された。

「私のフォロワーは、『学歴厨』と呼ばれるような学歴に関心の高い方が多い印象がありました。良い大学に行きたいという方も多く、時には『慶応のくせに調子乗んなよ』『私立文系のくせに」というコメントもあります。そういった方々を狙って発信しました」

大事にしているのは「自分らしさ」。当時は金髪ショートカット姿で、「ミスコンとはかけ離れたイメージの出場者」を意識している。学歴を自慢しているといった声もあるが、竹内さん自身は「ただの自己紹介です」と話す。

「ストリート系でボーイッシュな恰好が好きです。いつもの自分、ありのままの自分を伝えたいと思っています

大学4年生となった現在は、人材派遣会社で働きながら、勉強や就活に力を入れているという。目指すは「やりたいことを実現するキャリアウーマン」だ。

「高校3年生の時に、慶應義塾大学で行われていたイベントでUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の話を聞く機会があり、日本人、そして女性として初めて国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんに憧れました。これを機に国際刑事法に興味を持ち、そのゼミに入るために慶應義塾大学法学部法律学科に入学しました。勉強、就活、SNSいろんなところで、幅広く活躍できたらいいなと思っています!」

今年度版の学歴自己紹介ツイートも投稿したいと意気込んだ。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)