4月27日、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が「有田芳生氏の『下関は統一教会の聖地』発言に関する当法人の見解について」と題するプレスリリースを出した。

 このなかで教団は「下関が当法人の『聖地』として定められた事実は一切ありません」と有田氏の発言を否定。創始者の文鮮明氏が1965年に来日した際、東京・名古屋・大阪など8カ所に「聖地」を定めたものの、下関は含まれておらず、「聖地」は地域全体ではなく特定の場所を指すと説明。「有田氏の発言は、当法人の『聖地』の実態から大きくかけ離れています」「有田氏の『下関は統一教会の聖地』との発言は誤りであり、当法人が定めた聖地とは何ら関わりはありません」と断じている。

 また、2021年に方大陸会長が「山口の下関は聖地と同等の場所」と発言したことについては、「『聖地と同じくらい大切な場所』であることを言い表したに過ぎず、下関が当法人の聖地であることを意味する内容ではありません」としている。

 これに対し有田氏は、自身のTwitterで

《方相逸・神大陸日本会長は、日本の統一教会を指導する立場の存在です。下関を「聖地」としてきた事実を隠すことはできません》

《日本の統一教会の上位にいる韓国人幹部の発言です。信者にとって「下関」が聖地とは常識なんです》

 と反論している。

 4月23日に投開票がおこなわれた衆院山口4区補選に立候補した有田氏は、街頭演説で「この下関って統一教会の聖地なんです。聖なる土地なんです」と発言。このことが発端となり、ロンドンブーツ1号2号の田村淳やタレントの国生さゆりなども巻き込む“泥仕合”となっている。

 下関出身の田村は4月19日、Twitterに

《僕は支持政党無しだが、下関がカルト教団の聖地という印象操作をした事にムカついてるし、有田芳生氏やその発言を支持した議員を心から軽蔑します。下関はそんな街じゃない》

 と投稿。これに対し、有田氏は《私の統一教会裁判の弁護団が動き出しています》と、訴訟をちらつかせて反応。その後もこの件に関するやり取りは続いている。

 また、国生は4月22日

《淳くんの怒りは理解できる。根拠なくヨシフさん『聖地』とか言っちゃった訳だし、軽蔑するよ。考えなしにそういうこと口するする人、どこにでもいるよね。かけがえの無いものを独りよがりでけなす人。ノリで言っちゃうダメ人》

 とツイート。これに対しても有田氏は《弁明の余地のない明らかな名誉毀損です。まずは前段階の対応をする方向です》と、法的手段に出ると対応している。

 SNSでは

《教会側も誰も下関を聖地なんて言ってないんだよ。勝手に有田が聖地だと言い張って自分に票が回るようにしただけやろ。単純に言えば統一教会を利用したってことや。やってることは、教会と関係があった自民党員となんら変わりない》

《そもそも統一教会の聖地だからなに?という話 有田氏のこれを選挙活動に利用する政治リテラシーの低さ。下関の人達の事を考えず自分の当選のことしか頭にないからこんな発言になる》

 など、地元の人々への配慮を欠いた有田氏の言動に、批判的な意見が多く見られる。なかには

《有田さん、そこまで統一教会について言うなら、なぜ参議院議員生活12年もあったのに、国会質疑の場で統一教会に対して政府に対応を促す様な質問を一度たりともしてこなかったんですか?》

という疑問も。たしかに――。