Appleは日本時間の2022年9月13日に、最新モバイルOS「iOS 16」の配信を開始しました。ところが、「iOS 16にアップデートすると音楽ゲーム(音ゲー)のプレイに支障が出る」という問題が報告され、ゲームの運営がアップデートを控えるように警告しています。

iOS 16 three-finger gesture bug affects some apps and games

https://9to5mac.com/2022/09/15/ios-16-bug-three-finger-games/

Apple's New iOS 16 Update Has Broken A Bunch Of Rhythm Games

https://kotaku.com/ios16-apple-iphone-rhythm-game-update-arcaea-1849542972

9月16日発売のiPhone 14シリーズにも標準搭載されているiOS 16では、ロック画面のカスタマイズ機能やメッセージ編集機能、バッテリー残量のパーセンテージ表示などの新機能が注目されています。iPhone 14以前のモデルを持っているユーザーも、「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」→「iOS 16にアップグレード」から、iOS 16にアップデートすることが可能です。



ところが、iOS 16にアップデートすると「音ゲー」のプレイに問題が生じることが報告されています。音ゲーとは、リズムや音楽に合わせて画面をタップしたりスワイプしたりするゲームであり、プレイヤーは複数の指を駆使してゲームをプレイしています。この際、「3本指でのタップやスワイプ」を行うと、iOS 16ではプレイに邪魔な操作バーが表示されてしまうとのこと。

以下の埋め込み動画を見ると、iOS 16の動作で音ゲーのプレイが邪魔されてしまう様子がよくわかります。



画面上を流れるノーツに合わせてタイミングよくタップしていると……



いきなり画面上部に「コピーするものがありません」というバーが表示されました。音ゲーでは画面上部から流れてくる「ノーツ」に気を配ることが重要ですが、ちょうどノーツにかぶさるようにバーが表示されておりとても邪魔です。



しばらくするとバーは消えましたが……



プレイしていると再びバーが登場。まったくプレイできないわけではありませんが、快適なプレイとはいえません。



iPhoneでは以前のバージョンから、画面を3本指でタップまたはスワイプすると、「コピー&ペースト」や「テキスト入力をやり直す」などが行える操作バーが表示される機能があります。iOS 15以前では、この操作バーはテキスト入力に関するアプリを操作している時のみ表示される仕様でした。しかし、リリースされたばかりのiOS 16ではゲームやSafari、カメラなどのアプリでも操作バーが表示されてしまい、画面を激しくタップする音ゲーのプレイに大きな支障が出ているというわけです。



この問題を受けて、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(プロセカ)」「Arcaea」「あんさんぶるスターズ!!Music」など、国内外の音ゲー運営がiOS 16へのアップデートを控えるように警告しています。







3本指のタップやスワイプで表示されるバーがゲームアプリの邪魔になった事例は、2019年にリリースされたiOS 13でも報告されていました。

iOS13.0のバグ、PUBGなど多数のアプリでプレイの障害に - iPhone Mania

https://iphone-mania.jp/news-261153/

iOS 13の際はすぐにバグ修正が行われ、その後のiOS 14・15では問題が生じなかったため、今回も同様のバグ修正で問題は解決する可能性が高いとみられています。ゲーム系メディアのKotakuは、「(iOS 13で行われた修正が)この最新のアップデートから取り残されたのは残念です。しかし、公になったこの問題が修正されるのはそれほど遠い日ではないでしょう」と述べました。

なお、iOS 16はリリース時には使えない機能がいくつか存在することが報告されており、例年はiOSと同時期にリリースされるiPadOS 16のリリースが10月にずれ込むこともわかっています。

リリース時には使えない「iOS 16」の機能まとめ、目玉機能のiCloud共有フォトライブラリ機能も延期 - GIGAZINE