夏休みも間もなく折り返し地点。“子鉄”のお子さんを持つ親御さんにとっては、鉄道スタンプラリーで有意義な? 過酷な!? 夏を過ごしているのではないでしょうか。実は親子の大イベントかもしれない子連れの鉄道スタンプラリーを語ります。

子どもは大人の思う通りにいかない生き物である

 鉄道会社のスタンプラリーは、夏休みの定番イベントのひとつ。筆者の息子は“子鉄”だったため、親子スタンプラリーも過去に数回参戦しました。しかし、一度もコンプリートできたことはありません。全駅制覇どころか、押せても5駅くらいで毎回“途中下車”するのが現実です。

 なぜか? それはひとえに、子どもという生き物が、「大人の思う通りに全くならないから」に他なりません。子連れスタンプラリーのリアルを紐解いてみましょう。


鉄道スタンプラリーは夏休みの定番イベントのひとつ(画像:kawamuralucy/123RF)。

やる気のある子どもに付き合うのが本当に大変

 我が子が鉄道大好きなら、腹を括りましょう。やる気に満ち溢れ、目がキラキラしている以上、親は付き合うことが責務です。しかし、スタンプの数と親の疲労度は比例します。交通費もバカにならず、金銭的にも時間的にも、そして何より体力が激しく消耗します。

寝ないでくれ我が子… 寝起きの悪い子の相手が辛い

 年齢が低いほど、車内で寝てしまう確率は上がります。無理に起こせば不機嫌になり、起きるまで待つなら計画は頓挫。どっちも痛いので、「君が寝ちゃった場合はどうするか」を事前に話し合って決めておくのはどうでしょうか。やる気がある子ほど「起こして!」となるので、目覚めが悪くても奮い立ってくれることでしょう。

押したがるけど失敗… テンションがた落ちの子の機嫌取りが面倒

 筆者の子だけなのかもしれませんが、スタンプを押すのが下手くそなのに自分で押したいので、失敗するたび涙目、自暴自棄になり大変でした。解決策として、スタンプ用紙を別にこっそり用意しておくことにしました。子どもは無くしたり破いたりすることもあるので、スペアを準備しておくと安心です。

親にも試練 段取りと原理原則で乗り切れ!

 子ども相手も試練ですが、大人にとってもスタンプラリーはひとつの修行かもしれません。

階段の昇降が地味に老体に堪える

 スタンプ台の設置場所は、たいてい改札口付近にあるため、階段の昇り降りが地味に、でも確実に効いてきます。大きな駅だと改札口も複数あるため、ホームからの移動距離は最短でいきたいものです。少しでも親子の体力を消耗しないために、駅ごとのスタンプ台設置場所を下調べしておくことは、非常に有効です。

座れる時は、積極的に座る

 長丁場になるスタンプラリーですから、先頭車両で運転士さんの後ろにかぶりつくのは程々にして、移動中は積極的に座ることをおすすめします。移動中は、体力温存と計画確認の場と考えるのが良さそうです。

トイレは駅構内か休憩場所で

 スタンプ台の設置場所が改札“外”なので、ついでに駅ビルの綺麗なトイレに寄ろうと考えてしまいますが、余計な時間も使い、集中力も途切れるきっかけになりかねません。トイレは駅構内で借りるか、休憩タイミングで済ませるかがベターです。

成功の鍵は、「周到な計画」と「割り切り」


JR渋谷駅みどりの窓口に置かれたLEGOスタンプラリーのスタンプ台。ただ渋谷駅にみどりの窓口は2つあるので注意(乗りものニュース編集部撮影)。

 親子鉄道スタンプラリー成功の鍵は、「事前に計画をきちんと立てること」に尽きると思います。どういうルートだと効率良く回れて、どの駅どの場所で休憩をとるのか。お子さんが小学校中学年以上なら、親子で一緒に考えて計画を立てると楽しいし、子どものやる気も上がるでしょう。無理なく無駄ないルートを試行錯誤し、休憩先で美味しいものを食べられたら、親子で満足できます。スタンプラリーのプランニングは、我が子のロジカルシンキングを鍛える絶好の機会ではないでしょうか。

 逆に、お子さんが未就学児〜低学年なら、極端な話、スタンプを1個押しただけで「終了」もアリだと、割り切りが大事だと思います。スタンプラリーが親子の楽しい思い出として残るのか、苦い思い出になるのか、親の開き直り次第なのかもしれません。

 今年の夏休みは、親子で鉄道スタンプラリーに挑戦し、暑くて熱い夏にしてみませんか。