Amazonで特定の本を購入する際に、その本の販売が正規の出版者ではなく、著作権侵害をしている第三者が発送する場合があると告発する声が挙がっています。そのような業者から送られてきた本は紙が通常よりも薄かったり、小さく裁断されてデザインが途切れていたりしており、ひどいものでは全くの白紙で届いたケースもあります。





Amazon's Book Piracy Problem - Matt Harrison's Blog

https://hairysun.com/amazons-book-piracy-problem.html

Amazon sales of Deep Learning with Python are counterfeit | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=32210256

プログラミング言語のPythonに関する技術書を出版しているマット・ハリソン氏のブログによると、ハリソン氏が自費出版していた電子書籍について、一部読者から「Kindle版の品質が悪い」とクレームを受け取りました。Kindleで出版していないハリソン氏が改めて確認すると、匿名の出版者が同氏の書籍をKindle上にアップロードし、Amazon上で販売していたことが発覚しました。

また、ディープラーニングやPythonに携わる技術者のフランソワ・コレット氏も同様の被害をTwitterで報告しています。コレット氏によると、自身が出版している「Deep Learning with Python」という本について、Amazon上で「SacredGamez」という身に覚えのない販売者によってKindle版およびペーパバックが販売されているとのこと。コレット氏は何度もAmazonに問い合わせているものの明確な対応はなく、「Amazonで偽物を購入するのではなく、正しい出版元から購入して下さい」と呼びかけています。





コレット氏は通常の書籍とAmazonで匿名の出版者から購入した場合の偽物とを比較して「偽造品を見分ける方法」を紹介しています。コレット氏によると、偽物の印刷品質はかなり悪くカラーの色合いがくすんでいたり、紙が薄く本の厚さが明らかに違っていたり、通常の本より小さく裁断されていたりと、明確な違いがあるとのこと。





ハリソン氏の本は自費出版したものですが、コレット氏の本やその他ディープラーニングやアルゴリズムについての本はManningという技術書の出版者からリリースされており、複数の技術書が被害にあっています。コレット氏は「最近Amazonで技術書を購入した場合、それが偽物である可能性が50%を超えています」と述べ、影響を受けているのは自身だけではないと主張しています。合わせて、正規の出版者から直接購入すること、Amazonで品質の悪い偽物を購入した場合には払い戻しを請求することを呼びかけています。

Hacker Newsでも同様の「Amazonで書籍の偽造品が販売されている」ケースについて議論されており、医学系の本を購入した際に表紙と空白のページで構成された本が届いたケースが告発されていたり、品質の悪い本が届いたため交換を申請したら何度も繰り返し粗悪品が送られてきたと述べられていたりと、マーケット全体に懐疑的な意見が集まっています。また、書籍に関しては偽造品ということを読者が気にせず読んでしまうことが指摘される一方で、「同じような偽造が食品などで起きていたら致命的です」と警戒する声も上がっています。