「もっとこのような作品に出たいと思った」~映画『スポットライト』 出演のレイチェル・マクアダムスが会見 - BLOGOS編集部

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※この記事は2016年04月14日にBLOGOSで公開されたものです

第88回アカデミー賞で作品賞・脚本賞・監督賞を受賞し話題を呼んでいる『スポットライト 世紀のスクープ』(原題:Spotlight)。

カトリック協会の神父による児童への性的虐待問題をスクープした米ボストン・グローブ紙の実話をもとにした本作。購読者の過半数がカトリック教徒だったことなどから、同紙や記者たちが調査報道の過程で様々な葛藤や困難に見舞われる様子が描かれる。

14日、本作で女性記者役を好演、アカデミー賞助演女優賞を受賞したレイチェル・マクアダムスさんが日本外国特派員協会で会見を開いた。

レイチェルさんは本作について「最初、脚本を読んだ時、誰が観るのかと思った」というが、「たとえ良心を持っていたとしても、"信仰"という強い存在に対して目を背けてしまったり、我々がいかに善人であっても共犯者になってしまったりすることがあります」「あまり注目されることは無いが、ジャーナリストたちの仕事というのは、どんなに言葉を尽くしても足りない、大事な仕事」と出演を決めたという。

反響については「多くの人が映画館に駆けつけるような、派手なタイプの映画では決してありません。でも、語らけなければならない事や声なき声に耳を傾け、真実に迫る物語に共感していただき、皆さんが最後まで見てくれていることに勇気をもらっています」とコメント。

「(モデルとなったサーシャ・ファイファー記者は)カトリックの家庭でした。彼女は、取材している間は家族がどう思うかといううことは一旦横において、まず一人のジャーナリストとして事件と向き合って、後で家族と話し合ったそうです」「どのように報道すべきかという葛藤は記者たち全員にあったと思う。でも、信仰をそのものを否定するのではなく、明るみに出さなければならないことは、対話をしながらきっちりと出していかないという思いがあったと思う」と語った。

自身はプロテスタントというレイチェルさんだが、記者たちが抱え続けた葛藤について、知人にカトリック教徒の女性がいた事にも触れ、「製作中、彼女が生きていたらどう思っただろうか、こうした事実に向き合うのは辛いことだっただろうと思った」と振り返った。

映画はあす4月15日から公開される。

映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト