体外受精により50歳で女児を授かった女性(画像は『The Mirror 2022年5月21日付「EXCLUSIVE: Woman who struggled with infertility and failed IVF for years has baby at age of 50」(Image: Humphrey Nemar)』のスクリーンショット)

写真拡大

「幼い頃から大家族に憧れていた」と語るイギリス在住の女性は昨年、50歳で第1子を出産した。長年にわたる不妊治療と体外受精の失敗を経験したのち、ついに我が子を抱くことができた女性は、自らの経験をシェアすることで同じ悩みを持つ人の希望になればと話している。『The Mirror』が伝えた。

【この記事の他の写真を見る】

英ランカシャー州チョーリーに暮らすクリスティン・ボアマさん(Christine Boama、51)は昨年5月、第1子であるプレシャスちゃん(Precious、1)を出産した。

幼い頃から大家族に憧れていたクリスティンさんは、何年にもわたる不妊治療と体外受精の失敗を経験し、50歳でやっと子宝に恵まれたという。

「私は大家族のなかで育ちました。母は9人きょうだいで、叔母のひとりには6人の娘がいます。そんな賑やかな環境にいたので『大人になったらこんな家庭を築きたい』と思うようになったんです。私は健康だし、きっといい母親になれると。あとはいい人に巡り会うことができれば…と思っていました。」

「30代になって友人や同僚が次々に家庭を持つ姿を目の当たりにすると、赤ちゃんへの思いが募る一方でした。何よりも子供が欲しいという気持ちでいっぱいでしたが、『その時が来れば授かることができる。きっとすべてが上手く行くから大丈夫』と自分に言い聞かせていました。」

そう振り返ったクリスティンさんは2012年、41歳の時に現在の夫であるデイヴィッドさん(David、50)と出会った。

翌2013年に結婚式を挙げた彼女は、1年以内に妊娠すると信じていたが、赤ちゃんを授かることがないまま最初の結婚記念日が過ぎた。

そして2015年、44歳になったクリスティンさんは体外受精を行う決意をしたそうで、当時のことを「医学的な介入を受け入れることは私にとっては辛いことでした。でも母親になるためなら絶対にやる覚悟でいました」と明かした。

だが残念なことに最初の体外受精は失敗に終わり、さらに5年間で4回の体外受精を行った彼女は心に深い傷を負ったという。

クリスティンさんはその時の心境をこう述べている。

「検査、スキャン、投薬の繰り返しでとても疲れました。妊娠できない理由も分からないままだったので、精神的にも本当に辛かったです。その間、私の心に空いた穴はどんどん大きくなって…。私たち夫婦には子供を迎えられる家も経済的な余裕もあるし、何より親としての愛情も十分で、あとは子供を授かるだけだったのです。」

そんなクリスティンさんが生理が遅れていることに気がついたのは、50歳の誕生日から2週間が過ぎた2020年10月のことだった。

最初は更年期を迎えたと思ったクリスティンさんだが、何となく妊娠検査薬を手に取った。そして陽性を示す2本線が現れた瞬間、自分の目を疑ったという。

「これまで数え切れないほどの妊娠検査薬を使いました。そのどれもが陰性だったのです。でも50歳になった私は陽性反応を見つめていたんですから…。当時はただ衝撃的で、その場に座り込んでしまいました。」

その後、医師の診察で妊娠6週目であることが告げられ、2021年5月18日にプレシャスちゃんが誕生した。そして先日、1歳の誕生日を迎えた愛娘を家族みんなでお祝いしたそうだ。

もう子供はできないと諦めつつも様々な困難を乗り越え、50歳で出産したクリスティンさんは、自分の経験が誰かの希望になればとして次のように語っている。

「私が妊娠、出産できる確率がどれほど低かったことか。でも現在、家族3人で楽しく暮らしているのです。プレシャスの誕生は本当に奇跡で、生まれたばかりの彼女を見た瞬間、涙があふれました。我が子に会うために長い間待ち続け、祈り続けてついに無事に産まれたのです。私は自分の経験をシェアすることで、同じ悩みを持つ人が希望を持てるように願っています。」

画像は『The Mirror 2022年5月21日付「EXCLUSIVE: Woman who struggled with infertility and failed IVF for years has baby at age of 50」(Image: Humphrey Nemar)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)