超巨大な船の「帆」完成 現代の風力推進船「ウィンドチャレンジャー」秋にも登場
これをくっつけた大型船が続々登場!?
ウィンドチャレンジャープロジェクトの「硬翼帆」完成
商船三井と大島造船所は2022年2月1日(火)、風を船の推進力に活用する「ウインドチャレンジャー帆(硬翼帆)」が大島造船所構内で完成したと発表しました。
ウィンドチャレンジャー搭載船のイメージ(画像:商船三井)。
これは両社が共同開発する「ウインドチャレンジャープロジェクト」の一環。推進力のすべてを化石燃料に頼る現在の大型船に“帆”を設置することで、風力を直接推進力にプラスし、化石燃料の使用を抑え、GHG(温室効果ガス)を低減するという技術です。
硬い、塔のような巨大な「硬翼帆」は、かつての帆船の技術を最新技術により進化させたものだといいます。GFRP(ガラス製繊維強化プラスチック)でできた硬翼帆1本で、従来の同型船に比べ約5〜8%のGHG削減効果が見込めるとのこと。
今後、硬翼帆は陸上での各試験の後、大島造船所で建造中のバルクキャリア(ばら積み船)に搭載され、海上試運転などを経て、2022年秋に東北電力向け専用船として竣工予定だそうです。商船三井は、ばら積み船のほか、タンカーやLNG船など様々なサイズの船に搭載を検討しています。
ちなみに、自動車専用船は乾舷(海面に出ている高さ)が高いため、導入できないそうです。