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減産に揺れる市場 定番車が伸びる

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

半導体など部品調達の遅滞により生産調整を余儀なくされ、人気車であっても供給不足が続いているなか、2021年9月の新車販売の車名別ランキングが発表された(自販連/全軽自協が調べ)。

【画像】SUV風のノート新型【オーテック・クロスオーバー】 全11枚

登録車については、定番モデルや新型車が販売台数を伸ばす。


6000台前後を毎月売るノート。10月7日には、SUVテイストの「オーテック・クロスオーバー」がシリーズに加わる。今年に入っても、平均して5000台以上/月を売るセレナとのコンビは強力だ。

首位に立ったのはSUVモデルのヤリス・クロスの受注が堅調なトヨタ・ヤリスで、前年同月比42.5%減ながら1万2696台を成し遂げて、15か月連続でのトップにつく。

続く第2位には、7月に全面改良を実施したトヨタ・アクアが同96.2%増(1万1137台)を達成し、1つ順位を上げて入った。

第3位には、9月14日にSUVモデルのカローラ・クロスを追加設定して他モデルの生産一時停止をカバーしたトヨタ・カローラが7901台(同41.8%減)を記録し、2つ順位を上げて位置。

続く第4位には法人需要も旺盛なトヨタ・アルファードが同28.7%減(7444台)で、第5位には、8月に上級仕様のオーラの販売を開始した日産ノートが同5.2%増(6830台)でランクインした。

第6位には、定番ミニバンとして地道な人気を博す日産セレナが同7.5%増(6828台)と、年度末需要で伸びた3月に次ぐ好結果を残す。

そして第8位には6月に一部改良や特別仕様車の設定を行ったトヨタ・シエンタが同33.0%増(4807台)で、第9位には4月に全面改良を図ったホンダ・ヴェゼルが同34.8%増(3901台)でトップ10入りを果たしている。

続いて、新型車の動きを見ていこう。

新型ランクル/BRZ/シビックは?

8月に300の型式を付けたステーションワゴン型のニューモデルを発売したトヨタ・ランドクルーザーは、生産一時停止を余儀なくされながら同0.2%減(2497台)にとどめて第19位に。

昨年10月にフルモデルチェンジしたスバル・レヴォーグは同1700.0%増(1134台)を成し遂げて第30位にランクイン。


新型ホンダ・シビックは9月上旬の時点で、2100台のオーダーが入っていた。受注開始初期の段階となるが、マニュアル仕様が3割を超えているという。

また、7月に全面改良した新型スバルBRZは、同278.4%増の946台を達成して第37位に。9月3日より販売を開始した11代目の新型ホンダ・シビックは同21.5%増の841台を売り上げて第39位に入った。

9月の販売台数ランキング 登録車トップ10

1位:トヨタ・ヤリス(1万2696台)
2位:トヨタ・アクア(1万1137台)
3位:トヨタ・カローラ(7901台)
4位:トヨタ・アルファード(7444台)
5位:日産ノート(6830台)
6位:日産セレナ(6828台)
7位:ホンダ・フリード(6139台)
8位:トヨタ・シエンタ(4807台)
9位:ホンダ・ヴェゼル(3901台)
10位:ホンダ・フィット(3730台)

一方の軽自動車の首位に立ったのは、昨年12月に商品改良を実施したホンダNボックスだ。しかし、第2位以下は大きく順位が変動した。

ルークス/ワゴンR 軽のベスト3に

22か月連続での頂点に輝いたNボックスは、前年同月比36.4%減ながら唯一1万台オーバーの1万1805台を達成している。

続く第2位には、日産の軽スーパーハイトワゴンのルークスが同9.6%減ながら9708台を売り上げて、6つ順位を上げてランクイン。


なかなか目立った順位に姿を見せなかったスーパーハイトワゴン「日産ルークス」が、9月は2位に躍り出た。半導体不足、東南アジアからの部品遅延による生産調整が影響し、メーカーを問わずランキングは流動的な状況にある。

第3位には、9月に高いデザイン性とスライドドアの使い勝手を融合させた新タイプのスマイルを加えたスズキ・ワゴンRが同4.5%増(7573台)を成し遂げて、3つ順位を上げて入った。

一方、トップ3常連のスズキ・スペーシアは同54.7%減(7064台)で第4位、ダイハツ・タントは同55.5%減(5298台)で第6位に甘んじた。

9月の販売台数ランキング 軽トップ10

1位:ホンダNボックス(1万1805台)
2位:日産ルークス(9708台)
3位:スズキ・ワゴンR(7573台)
4位:スズキ・スペーシア(7064台)
5位:スズキ・ハスラー(5903台)
6位:ダイハツ・タント(5298台)
7位:スズキ・アルト(4788台)
8位:三菱eK(4721台)
9位:日産デイズ(4653台)
10位:ホンダNワゴン(4453台)

注目モデルの動きに触れていこう。昨年11月に全面改良したホンダNワンは、同2287.1%増ながら減産の影響もあって740台の販売台数にとどまる。

また、3月に特別仕様車のモデューロXバージョンZを発売するとともに2022年3月での生産終了を発表したホンダS660は、同70.5%増(440台)を達成。

昨年12月に法人ユーザーおよび自治体向けに限定販売を開始した超小型EVのトヨタC+podは、77台の登録を記録した。

なお、登録車と軽自動車を合わせた9月の車名別ランキングのトップ5は、トヨタ・ヤリスが3か月連続での首位に立ち、第2位にはホンダNボックスが前月と同順位で位置。そして、トヨタ・アクア、日産ルークス、トヨタ・カローラの順で後に続き、4か月連続で登録車がトップ5のうちの3モデルを占めた。