(株) TRASTA(TDB企業コード:201885422、資本金1000万円、東京都渋谷区千駄ヶ谷3-14-5、代表木地貴雄氏)は、6月2日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は松村一宏弁護士(東京都港区六本木1-4-5、蒲野綜合法律事務所、電話03-5544-9841)。

 当社は、当時東証2部上場の(株)インターアクション(現在は東証1部)が、光応用センサーを活用した製品の開発・サポートを目的に2005年(平成17年)6月に(株)BIJの商号で設立。同社の連結子会社として光応用センサーを活用したセキュリティ関連の製品開発・サポートと販売拡大を目指したが、欠損計上が続くなどして事業の再編成を行った。その後、親会社経由で太陽光発電システム「おひさまシステム」を調達、代理店を通して販売する事業を手がけ、2013年7月から自社所有の太陽光発電所による売電事業も開始した。しかし、FIT価格の低下や競争激化の業況を受け、ホステル事業へ転換することとなり、2017年2月にインベスタークラウド(現・Robot Home)の支援を受けMBOで独立(現在は資本関係を解消)し、同年5月に太陽光発電システム販売事業を終了、2018年2月に現商号に変更した。

 その後は、ITで効率化するシステム開発に取り組み、体の動きで電気や空調を管理する機能、スマートチェックイン、予約サービスなどを提供するホステルを建設。IoTデバイスを組込んだ客室やダイニングカフェを設置するなど工夫を凝らしたスマートホテルとして投資家に販売、当社が運営を行い、「STAY in the City AMEMURA」(大阪)、「STAY Vintage NAKAZAKI」(大阪)と「住亭」(京都、3施設)など5施設まで拡大、2019年5月期の年売上高は約4億3400万円を計上していた。
しかし、人件費や諸経費、借入金の負担などにより2017年5月期から営業段階から3期連続で赤字が続いていた。そうしたなか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりインバウンドが消失、宿泊者の多くが海外からの観光客を占めていたため、売り上げが大幅に減少。そうしたなか、10月末に全従業員を解雇し、事実上営業活動を停止、今回の措置となった。

 負債は2019年5月期末時点で約22億1900万円だが、変動している可能性がある。