売り切れ続出で入手困難! 「ゆかり」でおなじみ三島食品の広島菜ふりかけ「ひろし」を買ってみた
食楽web
突然ですが、ふりかけはお好きですか? 筆者は数あるふりかけの中でも特に好きなのが三島食品のふりかけシリーズ。ふりかけのレジェンドと言っても過言ではない「ゆかり」をはじめ、「かおり」、「あかり」、「うめこ」と言った4姉妹、さらに「菜めし」などがラインナップされています。
そして今年2月、「ひろし」という名を冠した新しい広島菜のふりかけが加わったとの情報を入手。そこですぐにスーパーに買いに走ったのですが、残念なことに売り切れ。ふりかけが一同に揃う100均の『Can Do』に行ってもありません。そう、「ひろし」はデビュー早々、人気者すぎて見ることすら叶わない幻のふりかけだったのです。
100均の『Can Do』のふりかけコーナー。「ゆかり」と「うめこ」の間に「ひろし」がいた形跡はあるものの、いつもいないのです!
買いたくても買えないとなると、「ひろし」に対して恨み辛みが募るもの。いったい「ひろし」って何なのさ! と愚痴りたくなります。
そもそも、三島食品の広島菜を使ったふりかけには、「菜めし」という商品があります。そして、筆者はこの「菜めし」こそが、一番好きなふりかけでした。青菜の香り、そしてほのかな苦味。塩味が濃いのでお茶漬けにもできる汎用性…。凡百のふりかけではとても太刀打ち不能の逸品なのです。
ちなみに、青じそのふりかけ「かおり」も香りが良くて大好き。ただし、「菜めし」も「かおり」も、「ゆかり」という偉大かつ有名すぎるレジェンドの影に隠れ、あまり目立つ存在ではありませんでした。
そんな地味に活動する2人を差し置いて、なかなか姿を見せない「ひろし」とは、一体どんな奴なのか? 「菜めし」の売れ行きが芳しくないので、「ひろし」に改名して再デビューさせただけなのでは? そんな猜疑心すら芽生え始めた、ある日のこと。出合いは突然でした。唐突にスーパーで「ひろし」を見かけたのです。
ナチュラルな雰囲気で並ぶ「ひろし」を発見
いやぁ、驚きましたね。他のふりかけ同様105円という値札をつけ、何食わぬ顔で商品棚に並んでいるので、危うく素通りするところでした。
とにもかくにも、「ひろし」を買って帰り、「菜めし」や「かおり」などと食べ比べてみることにしました。
果たして「ひろし」と「菜めし」は違うのか?
三島食品のふりかけ&まぜごはんの素シリーズ。パッケージの上部、“三島の”と書かれていますが、「ひろし」だけは“広島菜の”と書かれていました
さっそくパッケージの裏面を見て、「ひろし」、「菜めし」、「かおり」の原材料を比較してみると、
・「ひろし」=塩蔵広島菜・広島菜(日本)
・「菜めし」=塩蔵青菜・広島菜(日本・中国)京菜、大根葉
・「かおり」=塩蔵青じそ・青じそ(中国)
となっています。
原材料が青じその「かおり」は明らかに別モノです。そして、広島菜と他の青菜も使っている「菜めし」に対し、「ひろし」は広島菜オンリーで勝負していることが判明。それぞれの中身を袋から皿に出してみると、こんな感じです。
見た目も全然違う3つのふりかけ
似たような乾燥青菜たちではありますが、よく見ると全然違います。言うまでもなく、「かおり」は、原材料が青じそなので、ビジュアルが異なるのは当たり前ですが、「ひろし」と「菜めし」は似ています。しかし、よ~く見るとそこには歴然とした差があったのです。「ひろし」が鮮やかな黄緑色をしているのに対し、「菜めし」は、茶葉のように深みがかった緑色で、乾燥した青葉も大きい。
このまま舐めてもしょっぱすぎるし、ふりかけなのでご飯と一緒に味わいたい…。というわけで、茶碗1杯のご飯にそれぞれ小さじ1杯のふりかけをまぶし、蒸らしてから食べてみました。
左から「ひろし」、「菜めし」、「かおり」をご飯にまぶしてみました
早速、3つを連続で食べ比べてみたのですが、かなり差がありました。しょっちゅう食べていた「菜めし」は、改めてちゃんと吟味してみると、葉の苦味が際立ち、出汁のような旨みと塩味を感じました。一方、謎だった「ひろし」は、広島菜の若い葉の爽やかな風味とすっきりとした塩味。
パッケージの裏面をよく見ると、「菜めし」のほうは、食塩や砂糖に加え、昆布エキス、粉末味噌、鰹削り節の粉末などの旨味成分がプラスされているのですが、「ひろし」は食塩や砂糖だけでシンプルに調味されていることがわかります。そしてもちろん、どちらもそれぞれの個性があって美味しいです。
「ひろし」をまぶしたご飯。最高です
「ひろし」になかなか出合えなかったので、恨めしい気持ちを抱きもしましたが、広島菜のみを使用し、すっきり爽やかな風味と味に仕上げてある「ひろし」は、非常に上品な味わいのふりかけだと分かり、デビュー早々、人気者になったのも納得。
正直、「菜めし」推しなのは変わりませんが、最近は「ひろし」を、ふりかけとしてはもちろん、パスタ、ピザ、サラダなどに調味料として多用しています。香りも塩味もちょうど使い勝手がいいんです。105円とは思えないほど活用の幅が広いので、スーパーなどで「ひろし」を見かけたら、ぜひ買って、どんな味か確かめてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)