2020年11月に家庭用ゲーム機「PlayStation 5」が発売されたが、需要に対して供給が追い付かず、いまだ欲しくても手に入れることができない人がまだいる。

カスペルスキーの公式ブログによると、そんな状況につけこんで、「PlayStation 5が手に入る」という偽のキャンペーンを展開する詐欺が見られるという。以下、同ブログをもとにプレステ5の詐欺に遭わないためのポイントを紹介しよう。

同ブログが紹介している偽のキャンペーンメールによると、送信者は「India Pharma」は実在する会社の名前だが、この会社は製薬会社であり、キャンペーンとは関係がない。まず、この点が怪しい。

「PlayStation 5が手に入る」という偽のキャンペーンを知らせるメール 資料:カスペルスキー


次に、キャンペーンには応募要件が付きものだが、このキャンペーンの応募要件にはまったく別の会社の名称(toleadoo GmbH)が書かれているという。この会社も実在するドイツの会社だが、多くの苦情が申し立てられているそうだ。

また、応募要件の部分に「competition T&Cs」(キャンペーン応募要件)という言葉があるが、応募要件を見るためのリンクはない点も不審と言える。

ここまでメールの怪しさに気づかず、先へ進み、抽選に応募しようとすると、メールアドレスの登録を求められる。次に、AmazonのロゴのついたWebサイトが表示されるが、WebサイトのURLは、amazon.comとはまったく異なるという。

このページには、「おめでとうございます!!あなたは、今週のキャンペーンに応募できる限定10名に選ばれました!アンケートに答えたらPlayStation 5を差し上げます!」「応募するにはアンケートにご協力ください。回答時間は1分18秒です」というメッセージが表示されており、落ち着いて批判的に考える間もなく慌てて行動するように仕向けている。

アンケートの設問に一通り回答すると、まったく同じギフトボックスの絵が画面に何個も表示される。そのうち1つが当たりのボックスだという。この画面には過去の「当選者」が残したかのような偽のレビューコメントが表示されているそうだ。

当選を告げるメッセージには、賞品を受け取るには1ポンド(約150円)の支払いが必要と書かれている。支払いの理由が説明されていないが、ゲーム機の価格に比べれば微々たるものだ。

その次に、住所、郵便番号、電話番号、それからメールアドレスの入力が求められる。この段階で、支払う金額が1ポンド(約150円)から1.78ポンド(約270円)に上がる。

最後に、支払い情報の入力として、クレジットカード情報とセキュリティコードの入力が求められる。

最終的に、クレジットカード情報とセキュリティコードの入力を求められる 資料:カスペルスキー


カスペルスキーは、こうした詐欺を回避するため、以下のアドバイスを行っている。

プレゼントキャンペーンが本当に実施中か、主催者のWebサイトで確認する。ただし、メールに記載されたリンクからアクセスしてはいけない。

メールにあるリンクをクリックしない。ブラウザのアドレスバーにURLを手で入力してアクセスするか、Googleなどの検索エンジンを使ってそのWebサイトを探しだしてアクセスする。

賞品を受け取るために支払いを要求されたら、いかに少額であっても警戒する。要求された金額よりも多くを失う危険がある。

個人情報の入力に関しては、特に慎重に。少しでも怪しく感じるWebサイトには、連絡先など個人情報を入力しない。