3月17日、ニューヨーク警察が驚きの発表をした。10日前の3月7日、1日で3回も逮捕された男がいたというのだ。

 その男の名前はロバート・ラデク(29)。マールボロ市内をジープで走行していたラデクだが、乱暴な運転で警官に制止され、見せた運転免許は期限切れ。しかも所有物のなかから州法で禁止されているコカインの塊が見つかった。時刻は午前7時55分だった。

 違法薬物で逮捕されたラデクは、裁判所への出廷を約束し、その場を後にした。

 午後2時30分、ニューバーグの街並みをホンダのシビックで走っていたラデクは、またも警官に声をかけられる。しかも、よく見ると、朝に逮捕されたのと同じ警官だった。警官も気づいたと見え、厳しいチェックを受けたところ、コカインの塊とヘロイン1.3gが見つかり、2回目の逮捕に。

 その3時間後の午後5時45分、ニューバーグの街を再びジープで走っていたラデクは、またも警察に制止された。警官がラデクの様子に違和感を覚え、調べを進めると、薬物で意識が朦朧としていることが判明。薬物服用後の運転、さらに無免許運転も加わり、3度めの逮捕となった。

 1日3回の逮捕という珍しい事件だが、いずれも微罪で、どれも出廷命令にとどまっている。懲りない男の裁判は、ニューバーグ市裁判所で4月19日に2回、4月20日に1回の合計3回おこなわれる予定だ。

 この事件が報じられると、SNSでは「こいつ正気かよ…」「1回目で捕まえておけよ!」などのコメントがあふれた。

 ラデクは呆れた男だが、警察も捜査がいい加減だったと批判され、どうにも痛し痒しの結果となったようだ。