昨年12月に新会社へ事業を移管していた

 (株)rs<旧商号:シロカ(株)>(TDB企業コード:981100407、資本金1億円、登記面=東京都千代田区麹町3-3、代表清算人権田修一弁護士)は、7月22日に東京地裁へ特別清算を申請し、8月3日に同地裁より特別清算開始命令を受けた。

 申立人は権田修一弁護士(東京都千代田区麹町3-3、東京富士法律事務所、電話03-3265-0691)。

 当社は、1989年(平成元年)1月に設立された家電メーカー。自社ブランド『siroca(シロカ)』シリーズの掃除機、ホームベーカリー、コーヒーメーカーなどの家電製品を主力に、寝具、座椅子、アクセサリー、傘、皮革雑貨、食品なども取り扱うほか、ギフトカタログ、新聞通販、クレジットカード会社などポイント交換を行っている企業各社を対象として、ロイヤルティ・マーケティングなどに利用される商品を販売していた。自社で商品を企画・設計し、製造は国内外のメーカーに委託、家電量販店やECサイト、テレビ通販会社など向けに販売。2018年1月期には年売上高約44億4400万円を計上していた。

 しかし、2019年4月に一部取引先との間で架空取引を行っていたことが発覚。これにより2019年1月期の年売上高は約49億円を計上したものの、不適切な会計処理に伴う損失処理に加え「速暖マイカヒーター」のリコール費用で約14億3300万円の当期純損失となり、約11億9200万円の債務超過に転落。資金繰りが急速に悪化していた。

 その後は外部からコンサルタントを招聘し、スポンサー交渉などの再建策を模索するなか、2019年4月に別途siroca(株)<現商号・シロカ(株)、TDB企業コード:733054589、資本金1億円、東京都千代田区神田神保町2-4、代表金井まり氏>を設立。スポンサーからの資金提供に加え、中小企業再生支援協議会に支援を要請し、再建に向けて金融機関と協議を行っていた。その上で、再建スキームとして、同年11月22日に、吸収分割により当社の営む家庭用電気機械器具の製造、販売、輸出入、その他一切の事業に関して有する権利義務をsiroca(以下、新・シロカ)に承継することを官報で公告。その後、同年12月に当社は商号をシロカ(株)から現商号の(株)rsに変更し、新・シロカに事業を承継した後、今年4月28日開催の株主総会の決議で解散し、今回の措置となった。

 なお、現在、新・シロカが事業を引き継ぎ、通常通り営業を行っており、消費者に対する製品保証なども新・シロカで対応している。

 申請時の負債は約20億2800万円。