【ファンキー通信】あなたの遺伝子、大丈夫? コーヒー飲むだけでガンに!?

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 緊張して落ち着かない様子のロベルトが、カフェでコーヒー4杯を前に誰かを待つ。待っていた相手なのか分からないが、現れたスティーヴとの会話。

 スティーヴ「何を飲んでいるの、これはコーヒー?」
 ロベルト 「そう。コーヒーは僕を落ち着かせてくれる唯一の物さ」
 スティーヴ「俺も、好物だよ」
 ロベルト 「これから、どうするんだい?」
 スティーヴ「ゆっくりくつろいで、タバコでも・・・」
 ロベルト 「タバコは吸うんだ?」
 スティーヴ「コーヒーを飲む時だけ。タバコは良く合うのさ」

 ジム・ジャームッシュ監督の至福のリラックスムービー、コーヒー&シガレッツの「変な出会い」より。
 
 タバコとコーヒーを嗜む人には、この会話、十分に頷けるものでしょう。確かにそうですよね。締め切りに追われる人って、この傾向があるような気がします。バーっと仕事して、ちょっとだけって言い聞かせてコーヒー一杯とタバコを一服、一瞬の至福の時を過ごして、また戦闘モード。

 「日ごろストレスを強く感じながら生きている人は、コーヒーとタバコを同時に嗜む方が多いですよね。コーヒーを常飲している人の発ガン率が高いという統計が出ているんですけど、その影にこういう事が隠れているんですよ。まあ、美味しいですからね」

 と話してくれたのは、全国コーヒー協会専務理事の山下さん。

 この程、カナダ・トロント大などの研究チームが、遺伝子の違いによってはコーヒーが心筋梗塞を引き起こしやすくなるのでは!? という論文を、米医師会雑誌に発表したというニュース。遺伝子の酵素CYP1A2というものが関係しているらしいんですが、難しくて良く分からないので、山下さんに簡単に解説していただきました。

 「対立遺伝子の問題なんですよ。突然変異でカフェインを分解する酵素を分泌できなくなってしまう遺伝子が、優性になってしまうんです。そういうことが体の中で起きてしまうと、1日にコーヒーを2杯飲んだだけで心筋梗塞での危険性がぐっと高まるというもの。将来的にはそうした遺伝子のタイプ別に、食事指導の必要性があると言われているみたいですね。今まで提出されていた論文では、心臓疾患系の病気にコーヒーは無関係とされているものがほとんどだったので、新しい見解だと言えますね」(山下さん)

 なるほど、問題はコーヒーの摂取量が多い少ないではなく、遺伝子がカフェインを分解できるかどうか、ということが問題なわけです。コスタリカで行われた実験では、健康な2000人の内、半数はこのカフェイン分解が遅い遺伝子を持っているそうです。

 でも、この遺伝子の論文、1つの解釈であって、そこまで絶対的な証明はされていないよう・・・。たかがコーヒー、されどコーヒー。なかなか難しい「嗜好品」のようです。(小川晶子/verb)

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全国コーヒー協会