欧米人に比べて日本人が小柄なのは、身長が高いと不利だったから――。

 そんな可能性を示唆する研究成果を、理化学研究所などのチームが発表した。大規模なゲノム解析により、日本人の身長と遺伝の関係の謎に迫った。

 ゲノムは遺伝情報のことで生き物の設計図。ゲノムのわずかな違いが体つきなどに影響を与えることがある。ただ、遺伝ですべてが決まるわけではなく、環境的な要因も関係している。例えば、一般的には身長は約6割、体重は3割弱が遺伝的な要因だという。

 理研の鎌谷洋一郎・客員主管研究員や秋山雅人・客員研究員らのチームは、頻度の低い遺伝的な変異を見つけることができる新しい手法を開発した。これを使って、日本人約19万人のゲノムを解析したところ、身長に関わる変異を609カ所で見つけた。中には、身長を2センチ高くしたり低くしたりするものもあった。

 さらに、遺伝的変異の頻度と身長の影響を調べたところ、身長を高くすることに関わるものは頻度が低い傾向だった。日本人では、こうした変異は自然淘汰(とうた)されていたことを示唆していて、欧米人とは逆の結果だったという。

 鎌谷さんは「日本人の歴史において、身長を高くするということが何らかの不利な影響を及ぼしていた可能性がある」と話す。

 論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズで発表された。(戸田政考)