AFX通信によると、米国務省は、中国などインターネット情報の閲覧などが行われている国での米国企業の事業展開を促すために、米国企業や市民団体と横断的に協力し、現状分析や他国の規制政策を修正する方策などを検討するタスク・フォース（作業部会）を設置することを明らかにした。英経済紙ファイナンシャル・タイムズが15日付けで報じた。ジョゼット・シャイナー国務省次官（経済政策担当）は、インターネットは表現の自由に対して強力なマスメディアとなっており、圧政的な政策でもネット・アクセスを制限することができないと述べたが、厳しい障害があることも強調した。同作業部会は、国内関連方面から意見を集約し、言論統制を行う諸国に対して圧力を強めて行く方針。

　　中国の検閲問題に関してインターネット検索大手ヤフーは前日13日、人権や情報アクセスの保障を求めるなか、こうした問題に対応するのは企業だけでなく、海外在住米国人や米国政府にとっても直面する問題となっており、国務省が関連する企業や議会などと対話を持つよう要請する声明を発表した。

　　ヤフーや同業大手グーグルは、インターネット情報の検閲を行う中国政府の規制に従う事業展開を行っており、市民団体からの批判を受けている。グーグル、ヤフー、マイクロソフト、シスコ・システムズなど大手ネット関連企業の幹部らは、15日開催の米下院議会人権問題小委員会（委員長：クリストファー・スミス議員：共和党／ニュージャージ州選出）に召喚されており、中国での事業内容について証言を行う予定。　【了】