N国党首・立花孝志の独占告白90分「マツコ騒動で月収は1000万円に」
参議院議員会館403号室。NHKから国民を守る党(N国)党首の立花孝志氏(52)の事務室には、電源がオフの24インチ液晶テレビがポツンと置かれていた。
「テレビは見ないので必要ないんですが、マスコミさんが取材撮影のために欲しいということで、しかたなく設置することにしました。
NHKの好きな番組? 久しく見ていませんが、昔の大河ドラマが好きです。『独眼竜 政宗』(1987年)や『武田信玄』(1988年)には、夢中になりました。それと在職中、うつ病になったので、そのときは関連するNHKの健康番組をよく見ました。
ピエール瀧さん事件のとき、『いだてんに影響?』という見出しを見つけ、伊達政宗も韋駄天の異名があったから不思議に思っていたところ、『いだてん』とは、いまの大河ドラマだと知って驚きました。
チコちゃん? なんですか、それ。『ボーっと生きてんじゃねーよ!』ですか? そういえば事務所スタッフがそんなセリフを言ってましたね。あいつ、NHK見てるんだ」
7月の参院選挙。比例代表で約99万票を獲得して1議席を得たN国の党首が、お笑い芸人やタレントとのバトルで、話題になっている。初のロングインタビューで、その人物像に迫った。
「NHKの入局志望動機は『企業として安定していること』と、『公共のための仕事がしたかったから』です。そして『受信料制度は素晴らしい』と、不払いの人たちに伝えたかった」
驚くことに、当時は受信料制度に賛成で、NHK愛もあった。しかし組織的に裏金を作り、私的流用していた事実を知り、闘うことに。
「組織的に、取引先に水増し請求してキックバックさせたり、飲み代の付け替えをしていました。これは犯罪。『告発せざるを得ない』と思い、私が経理担当として同行したソルトレーク五輪(2002年)で300万円の裏金が作られたことを、2005年に『週刊文春』で実名告発しました。
その『週刊文春』に『N国 立花孝志 カネと女と躁鬱』と書かれました(苦笑)。しかし、ネット(『文春オンライン』)の見出しの、『N国・立花党首<ひとり放送局>に詐欺行為の疑い』は、疑いで書くなよ、です。訴訟を起こします」
NHK内部から不正をただそうとしたが、ほかの職員らから声が上がることもなく、断念。心労も重なり、うつ病に。「退職して少し休み、外から変えていかざるを得ない」と決断した。
「“休憩中” は趣味のパチンコで、日々の糧を得ていました。参院選挙前の3月まで、『海物語』を打っていました。もちろん、勝ちました」
本誌は2005年に、NHK退職後はパチプロになり、ドル箱を積み上げる立花氏を取材。「等価交換のホールでみっちり打ちます」と、当時は気迫がみなぎっていた。記事では、「夫婦で月に500時間打って純利益は100万円。これまで7000万円は勝っています」と豪語していた。
臥薪嘗胆していた立花氏だが、2009年のNHK受信料裁判で、政治の道に。
「裁判所が、受信料の(是非の)判断を下せないとしたんです。つまり、受信料については政治マター。当時の民主党が、理解を示してくれたので応援。蓮舫さんにも会いました。
さらに橋下徹さんにも、『スクランブル化をしませんか』と聞きましたが、『今のところはやる気はありません』と言われたので、『それなら自分でやるしかない』と、2013年6月に党を立ち上げました。
当選しやすい地方議会に的を絞り、2回落選しましたが、2015年の船橋市議選で初当選。2016年の都知事選にも出ましたが、これは同年の参院選を視野に入れて、党の認知度を上げるための売名でした」
2002年、ソルトレーク五輪で有働由美子アナと
出る杭なのか、打たれる。メディアや著名人から批判の声がやまない。過激な言動に加え、TOKYO MXへの抗議は「言論弾圧」とも批判されたが、本人は「全部、計算ずく」というのだ。
「僕はメディアに注目されるため、あえてヒールになっているんです。バッシングされることは、なんとも思っていません。メンタリストのDaiGoさんや橋下さんなど、理解してくださる方も多いですから。
マツコ・デラックスさんが『5時に夢中!』(TOKYO MX)で、『気持ち悪い人たち』『ふざけて(票を)入れた人も相当いると思う』と発言したことに同局前で抗議しました。これは『政治的に公平であること』『報道は事実をまげないですること』などを定めた、放送法第4条に違反しています。
さらにマツコさんやMXさんの、『時間が解決してくれる』という姿勢が許せないから、圧力をかけました。大声は、僕の地声だし、ヘイトスピーチでもなんでもありません。マツコさんは言い返してくると思ったのですけど。
今後はMXさんとマツコさんに、総額1億円の慰謝料を求め、原告1万人の集団訴訟を起こします」
MXは「弊社の対応方針は、弊社ホームページ内『INFORMATION』に8月27日付け記載の『視聴者の皆様へ』のとおりであります」と回答。そこには「全ての番組において、法令、放送基準等を遵守し、番組制作を行っております」とある。
こんな騒動の影響もあってN国への関心は高まっている。立花氏が運営するYouTubeチャンネルも、選挙中は1日約400万アクセスだったが、マツコとのバトルで3倍に。
「8月の月間収入は、1000万円を超えました。すべて僕が代表の会社の収入になっていて、『NHK撃退シール』の発送費用などにあてています。
NHK記者とのつき合い方ですか? 取材にはもちろん来ますよ。だけど僕から30m離れてお辞儀するくらい。カメラはまわしても、質問はしません。上司から、『立花の弱みを握ってこい』と言われているんじゃないですかねえ」
「スクランブル化は、政権を取らないとできない」と消極的な発言もしている。
「それはそうです(苦笑)。だから少しずつです。たとえば、衛星放送の契約率は約50%。これは公共性がないので、スクランブルをかける。それと2014年に最高裁で、『受信料を遡って徴収できるのは5年』とされましたが、契約者がNHKに申し立てないと、5年を超えて徴収される。改めないと。
スクランブルをかければ、いずれNHKは消滅します。時間の問題。だって受信契約者が減れば、契約している方の負担が増え、それがいやになり、さらに契約をやめる方が増える。まさに負の連鎖です」
次期衆院選では、「全選挙区に候補者を立てる」と意気込む。先日は脱税で起訴され、裁判中だった「青汁王子」こと三崎優太被告にも会った。
「まだ名前は明かせませんが、いろいろな方をスカウトしています。酒井法子さんや清原和博さん、ASKAさんなどにも声をかけてみたいですね。一度失敗しましたが、反省してまた歩んでいる。ぜひとも政治の場で活躍してもらいたい。
清原さんは僕の生家の隣町出身で同学年。岸和田市議になって青少年の育成などに携わってもらえたらなあ。カネ、女などの身体検査ですか? それはしません。立候補する皆さんはそれなりの方々ですから、安心しています」
間もなく国会が始まり、予算委員会に出席する。どんな“計算ずく”の発言をするのだろうか。
(週刊FLASH 2019年9月24日号)