中田英寿、中村俊輔、本田圭佑…。久保建英が過去の代表スターを超える可能性は?
9月1日のバレンシア戦でスペイン1部、ラ・リーガの初舞台を踏んだばかりの久保建英(マジョルカ)が3日から日本代表に合流した。「彼のクオリティが戦力になる」と森保一監督も期待を寄せていて、10日のミャンマー戦(ヤンゴン)から幕を開ける2022年カタール・ワールドカップアジア予選のキーマンと位置付けられる可能性が高そうだ。
振り返れば、中田英寿、中村俊輔(横浜FC)、本田圭佑といった過去の日本代表看板選手たちも、ワールドカップ予選で異彩を放ったことで、スターダムにのし上がった。
中田は日本が初めて世界の扉をこじ開けた98年フランス大会最終予選に弱冠20歳で参戦。「ジョホールバルの歓喜」につながる岡野雅行(鳥取GM)の決勝弾をお膳立てするなど、傑出した存在感を示した。
中村俊輔にしても、2006年ドイツ、2010年南アフリカの両予選で軸を担った。とりわけ岡田武史監督が率いた後者の方では、日本が大の苦手としていたオマーン、バーレーンといった中東勢から計3ゴールを挙げ、「俊輔ジャパン」と称されたほど。攻撃面の彼への依存度は非常に高かった。
そして本田も、2014年ブラジル、2018年ロシアの両予選で活躍。特に前者の時は絶対的トップ下として君臨し、最終予選序盤のオマーン、ヨルダン戦で計4ゴールと爆発。ラストのオーストラリア戦でも重圧のかかるPKを決めてブラジル切符獲得の原動力になるなど、目覚ましい働きを披露。アルベルト・ザッケローニ監督から「絶対的エース」を位置付けられた。
久保が彼らを超える選手となるには、今回のカタール・ワールドカップ予選で「日本を勝たせられる存在」にならなければいけない。だが、バルセロナのカンテラで育ち、Jリーグ最年少出場や得点(※いずれもJ3)、ルヴァンカップ最年少得点など、これまでの記録を次々と塗り替え、18歳でレアル・マドリーと契約するという前例のないキャリアを築いてきた久保には、その可能性が大いにあると見ていい。
さしあたって、ミャンマー戦(ヤンゴン)だが、現状での森保ジャパン・アタッカー陣の序列は中島翔哉(ポルト)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(PSV)の三銃士がファーストチョイス。6月のキリンチャレンジカップ2連戦とコパ・アメリカ(ブラジル)に呼ばれただけで、まだA代表経験の少ない若武者は、彼らを上回る信頼を得るところからスタートしなければならない。
本人も「選んでもらったからには、自分が選ばれた理由を見せなきゃいけない」と意欲を示しているだけに、まずは5日のパラグアイ戦(鹿島)で自身の存在価値を示すことが肝心だ。南野や堂安より合流が1日遅れたうえ、直近のリーグ戦で出場時間が短かったため、今回はジョーカー的な起用になりそうだが、そこで久保が流れをガラリと変え、堅守のパラグアイを攻略するチャンスを数多く作り、ゴールへの道筋をいくつも見せられれば、森保監督も手応えを得られるはずだ。
レアル・マドリーのトップチームでプレシーズンを過ごし、エデン・アザールやルカ・モドリッチらとの共演で攻撃センスを磨いた経験値は大きい。それをコパ・アメリカ8強の強豪相手に発揮できれば、自ずと代表での序列も変わってくる。すべては久保の一挙手一投足次第ではないだろうか。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
振り返れば、中田英寿、中村俊輔(横浜FC)、本田圭佑といった過去の日本代表看板選手たちも、ワールドカップ予選で異彩を放ったことで、スターダムにのし上がった。
中田は日本が初めて世界の扉をこじ開けた98年フランス大会最終予選に弱冠20歳で参戦。「ジョホールバルの歓喜」につながる岡野雅行(鳥取GM)の決勝弾をお膳立てするなど、傑出した存在感を示した。
中村俊輔にしても、2006年ドイツ、2010年南アフリカの両予選で軸を担った。とりわけ岡田武史監督が率いた後者の方では、日本が大の苦手としていたオマーン、バーレーンといった中東勢から計3ゴールを挙げ、「俊輔ジャパン」と称されたほど。攻撃面の彼への依存度は非常に高かった。
そして本田も、2014年ブラジル、2018年ロシアの両予選で活躍。特に前者の時は絶対的トップ下として君臨し、最終予選序盤のオマーン、ヨルダン戦で計4ゴールと爆発。ラストのオーストラリア戦でも重圧のかかるPKを決めてブラジル切符獲得の原動力になるなど、目覚ましい働きを披露。アルベルト・ザッケローニ監督から「絶対的エース」を位置付けられた。
久保が彼らを超える選手となるには、今回のカタール・ワールドカップ予選で「日本を勝たせられる存在」にならなければいけない。だが、バルセロナのカンテラで育ち、Jリーグ最年少出場や得点(※いずれもJ3)、ルヴァンカップ最年少得点など、これまでの記録を次々と塗り替え、18歳でレアル・マドリーと契約するという前例のないキャリアを築いてきた久保には、その可能性が大いにあると見ていい。
さしあたって、ミャンマー戦(ヤンゴン)だが、現状での森保ジャパン・アタッカー陣の序列は中島翔哉(ポルト)、南野拓実(ザルツブルク)、堂安律(PSV)の三銃士がファーストチョイス。6月のキリンチャレンジカップ2連戦とコパ・アメリカ(ブラジル)に呼ばれただけで、まだA代表経験の少ない若武者は、彼らを上回る信頼を得るところからスタートしなければならない。
本人も「選んでもらったからには、自分が選ばれた理由を見せなきゃいけない」と意欲を示しているだけに、まずは5日のパラグアイ戦(鹿島)で自身の存在価値を示すことが肝心だ。南野や堂安より合流が1日遅れたうえ、直近のリーグ戦で出場時間が短かったため、今回はジョーカー的な起用になりそうだが、そこで久保が流れをガラリと変え、堅守のパラグアイを攻略するチャンスを数多く作り、ゴールへの道筋をいくつも見せられれば、森保監督も手応えを得られるはずだ。
レアル・マドリーのトップチームでプレシーズンを過ごし、エデン・アザールやルカ・モドリッチらとの共演で攻撃センスを磨いた経験値は大きい。それをコパ・アメリカ8強の強豪相手に発揮できれば、自ずと代表での序列も変わってくる。すべては久保の一挙手一投足次第ではないだろうか。
取材・文●元川悦子(フリーライター)