【バスケW杯】渡邊雄太、10分間で痛感した世界との差 ミス連発の第1Qに悔い「正直、若さが出た」
立ち上がりで圧倒され、第1Qだけで16点差「向こうの方が一枚も二枚も上手」
バスケットボールのワールドカップ(W杯・DAZNで生配信)に出場している世界ランク48位の日本は1日、同17位のトルコと初戦(上海・東方体育中心)を行い、67-86で黒星スタートとなった。この日午前の公式練習を発熱で回避した八村塁(ウィザーズ)は先発出場し、徹底マークに遭って15得点と封じられた。
待っていたのは世界との差だった。日本は八村のほか、NBAグリズリーズの渡邊雄太、ファジーカス・ニック、篠山竜青、比江島慎が先発。開始19秒で渡邊がファーストシュートを放ったが、失敗に終わると、リバウンドを奪われて34秒に先制点を許した。その後もパスミスやボールロストなど浮足立つ姿が目立つ。シュートの精彩を欠いた日本は差を縮められず、第1クオーター(Q)終了時点で12-28の大差を付けられた。
「自分たちも日本らしさを出したかった。悔しい試合。立ち上がりが大事と日本での試合(強化試合)でも分かっていた。みんなで集中していこうと話していたけど、正直、若さが出た。向こうの方が落ち着いていい入りができていた。最初に20点くらい離れたのがずるずるいっていた。入り方がまずかった」
失った流れは簡単には取り戻せない。第2Qに入ってもトルコの高精度の3ポイントシュートがリングに突き刺さる。八村は第2Q終盤にコート下でボールを受けて得点。さらに残り39秒には自らスティールすると、豪快なダンクを叩き込んで咆哮。大迫力のプレーにスタンドから大歓声が上がった。しかし、トルコのNBA選手の一人、SGフルカン・コルクマズ(76ers)のダンクにもどよめきが起きるなど反撃ムードを打ち消された。
日本はPGに篠山と田中大貴を交互に起用するが、なかなかリズムをつかみ切れない。対するトルコは速攻と冷静なボール運びを使い分け、一時21点差をつけられた日本は49-67で最終Qに突入した。しかし、終始リバウンドで優位に立てず、序盤の大量失点が響いて勝利には届かなかった。初戦を終え、渡邊はこう振り返る。
悔やまれる第1Q「彼らは僕たちよりも経験がありました」
「彼らは僕たちよりもいいプレーを40分間していた。トルコはいいチーム。彼らはきっちりやるべきことを成し遂げたけど、僕たちはそれができなかった。でも、これは僕たちにとっていい学びの経験になると思う。ここから学ばなければいけないし、前進し続けなければいけない」
過去のW杯で欧州勢に7戦未勝利だった日本は、初勝利を逃す結果となった。悔やまれるのは、やはり第1Q。公式会見でも「どのクォーターがチームにとって最も難しかったか?」の問いに、渡邊は英語で返答した。
「第1Qだと思います。常にスタートは難しいものです。僕や多くの選手にとって初めてのW杯ですし、彼ら(トルコ)は僕たちよりも経験がありました。彼らはなすべきことを理解していましたが、僕たちは何をするべきか理解しようと試みていた。それにより、彼らは僕たちを相手に20点くらい離してきました。なので第1Qだと思います」
歴史を変える戦いは始まったばかり。次戦は3日に世界ランク24位のチェコ、5日に同1位の米国と対戦し、上位2か国が2次リーグに進出。下位2か国は順位決定戦に回る。「(トルコは強いが)コートに入ったらNBAだろが、他の所属も関係なく、日本代表としてプレーすると心掛けていた。向こうの方が一枚も二枚も上手だった。大会も始まったばかり。負けても試合は続く。しっかりとチェコ戦に備えたい」と懸命に前を向いた。(THE ANSWER編集部)