8日に開かれた衆院予算委員会では、米国産牛肉の輸入再開をめぐり国会紛糾のきっかけとなった質問主意書を政府に提出した川内博史議員(民主)が質問に立ち、牛海綿状脳症(BSE)問題で、甘いとされる米国の飼料規制の強化を求めた。

 日本では、牛の肉骨粉の使用を禁じているが、米国では、牛の肉骨粉を豚や鶏へ与えることを認めている。川内氏は「米国では特定危険部位入りの肉骨粉が鶏や豚を経由して牛に戻ってくる」と異常プリオンの連鎖の可能性を指摘。そして、食品安全委員会のプリオン専門調査会の吉川泰弘東大教授のコメントを引用して、「米国ではBSEリスクが拡大している」と警告し、ブッシュ大統領ら米側に強く働きかけないと「食の安全」は守れない、と訴えた。

 小泉純一郎首相は「動物にとっても、えさは重要。具体事例を挙げ、米側に警告することが大事」と答弁した。中川昭一農林水産相も「食品安全委員会答申の付帯事項にも、交差汚染の指摘がある。さらに米国に要求していく」と述べた。【了】

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