吉田麻也(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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2011年カタールアジアカップ、初戦のヨルダン戦で日本は前半終了間際に先制点を許した。相手のシュートが22歳のDF、吉田麻也に当たってゴールに飛び込むという不運な失点だった。そのまま時間は過ぎ去り、後半アディショナルタイムを迎えたとき、吉田がクロスに合わせて同点とし、ここから日本の快進撃が始まった。

8年を経過して吉田は30歳のキャプテンとして戦っている。「(UAEはカタールと)環境も似てたりする」というこの大会で、吉田は若手選手に何を伝えようとしているのか。

「僕がまさに2011年当時は、散歩なんかも川島永嗣選手とか前田遼一さんとかと一緒に行っていろんな話を聞いていたほうなんで」

「(食事の)テーブルでよく話したり意見を求められたりすることが多くなりますね。若い選手とテーブルが一緒なんで面白いですよ。いろいろ聞かれるし、今の若い子はこんなことで盛り上がるんだって」

「テーブルでは英会話教室みたいなの、英語の勉強の質問を求められて、それが自分にとってはとても難しくて。どんどん聞かれてくるんで、そんなポンポンアイデアが出てこないですよ」

「特別伝えてることはないですけど、この大会で監督やチームやファンのみなさんにインパクトを残して、これを足がかりに代表に定着してほしいと思います。僕がそうでしたし。特に冨(安健洋)なんかもそうですけど、センターバックで使ってもらったりボランチで使ってもらったりというのはものすごく幸運なことなので、このチャンスを生かしてほしいと思います」

終始穏やかに話していた吉田だったが、みんなの大会への決意を聞かれたときは少し声が大きくなった。

「ヨーロッパのリーグ戦を休んで来てるんで、中途半端な気持ちで来ているのではないというのは確かです」

はたして吉田が日本代表の常連になったように、この大会で地位を確立できる選手が出てくるだろうか。そして吉田はキャプテンとして若手選手を導けるか。この大会の見所の一つでもある。

【テキスト:森雅史/日本蹴球合同会社、撮影:岸本勉/PICSPORT】