Apple Watch Series 4先行実機レビュー さっそく腕に巻いて走ってみた!
Apple Watch Series 4の魅力は、ディスプレイのサイズアップと、スタミナ強化にあると考えているのは既に書かせてもらった通り。今回は発売前の実機を手にすることができましたので、ランニング用途を中心に実際使ってみて気づいたことをレポートいたします。

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ランニングでの使い勝手はいかに?


Apple Watch Series 4の実機を手にした時点で、一つやりたいことがありました。それは思いっきり走ってやろうということ。Series 3と比べてバッテリー持ちが1時間伸びたのですから、42.195キロまでとはいかずとも、6時間のワークアウトを実行してみたいという気持ちがあったのです。

しかしながら、筆者の体力では、たとえハーフマラソン程度の距離でも、その後の1〜1.5日間は屍と化すでしょう。その状態で原稿を書くなんて確実に無理です。ここ数日原稿に追われて徹夜続きだったことも祟り、もし走れば間違いなく倒れるはず。

おっ、倒れる。なるほど転倒検知機能も試せるかもしれない......。なんて一瞬頭をよぎりましたが、流石に自身の身を案じて、今回は2〜3キロの軽めのランを数回行うだけに留めます。筆者のスタミナもアップデートしておけば良かった。



さて、今回実際に手にしたのは44mmモデルのApple Watch Series 4でした。写真を表示すると、ディスプレイのサイズ感がわかりますね。アルミニウムケースを採用するので、ディスプレイが大型化したとは言いつつも、軽いつけ心地はずっと維持されていました。ランニングで使用する際にも、ほとんど気になりません。

一方で、ランニングしながらペース配分をチェックするには、44mmモデルの大画面が最適でした。タイムだけでなく、リアルタイムの心拍数、ローリングタイム(直前のペース)、平均ペース、走行距離などがワークアウト中の画面に一覧表示されますので、これらを大きな文字で確認できるのはありがたい。



実際にマラソン大会などに出場し、タイムを意識して走る場合にも、ちらっと見ただけで、こうした数字が把握できることは重要。ディスプレイが大きくなったのは多くのランナーにとって喜ばしいことと言えるでしょう。

さて、watchOS 5の新機能には、ワークアウトの開始・終了操作を忘れたことをアラートしてくれるというものがあります。これを試すために、あえて開始・終了操作をしないで走り出してみることも試みました。



ランニング開始後に数分が経過すると「ワークアウト中のようですね。」という通知画面が表示され、同画面から「屋外ランニングを記録」という操作が行えました。そして、記録していなかったスタートからその時点までのデータも反映したうえで、ワークアウトが起動するというお利口ぶり。せっかく早起きしてジョギングしたのに記録し損ねてがっかりするなんて事態は防げそうです。



同じく、ランニングを終了したままアプリを停止し忘れていると、数分で「ワークアウトを終了しましたか?」という通知が現れます。そこで「ワークアウトを終了」をタップすれば、測定完了できるという仕様です。ワークアウトが起動していると数時間でかなりのバッテリーを消費してしまいますので、消し忘れ防止機能の追加は、朝ラン派の皆さんにとっては不意の電池切れを防ぐ良い保険となるでしょう。

ちなみに、これらの機能が不要な場合には、iPhoneのApple Watchアプリから設定でオフにすることも可能です。

Siriの処理速度もかなり速い



Siriの反応のスピードをwatchOS 5をインストールしたSeries 3とSeries 4で比較したところ、Seires 3だと「明日の天気は」 「・・・・明日は傘をお持ちください」、Series 4では「明日の天気は」 「・明日は傘をお持ちください」くらいの差がありました(秒数で言うと1秒以内でしょうが)。おそらく、新モデルに搭載されたデュアルコア64ビットのS4チップや、強化されたアンテナなどが貢献してくれていそうです。ただ、通信環境やペアリングするiPhoneによって、結果は変わるかもしれませんので、その点はご了承ください。

また、watchOS 5では、腕を持ち上げるだけでSiriが起動するという機能が追加されています。つまり、「ヘイSiri」と言ったり、デジタルクラウンを長押ししなくても使えるようになったわけです。Siriの反応にスピード感があると、なお嬉しい。

筆者が試みた範囲でのコツは、Apple Watchの画面が消灯した状態で、腕を持ち上げ、ディスプレイが顔の正面に向くような角度で口元まで腕をあげること。そして、画面が起動したのちに、フレーズを述べればSiriが認識してくれやすいです。



スピーカーの音量はSeries 3と比べるとかなりアップしていて、手をおろしていてもSiriのレスポンスが十分に聞こえます。ただし、街中で急にこの音量が出ると日本ではちょっと恥ずかしい思いをするかもしれません。Apple Watchの「設定」アプリ内にある「一般」から「Siri」の「声の音量」を調整すれば程よい音量に変更できるので、覚えておくと良いですよ。

ボタン周りの操作感についても少し触れておくと、デジタルクラウン(リューズ)をくるくると回す際に起こる、ハプティックフィードバックによる振動がとても心地よいです。デジタルクラウンを回すと、まるでケース内にある小さな歯車が「カリカリカリ」と回るような感覚が味わえます。ちなみに、表示しているアプリによっては「トントントン」というリズムに変わるなど、一様ではありません。「使っているときに心地よい」っていうだけですが、毎日肌に触れる製品ですので、こういう部分も重要ですよね。

できればGPS + Cellularモデルにしておこう


Series 4でデザインや使い勝手の完成度をますます高めてきたApple Watch。価格は少々上がってしまいましたが、アップデートの内容を考えると妥当でしょう。今回は間違いなく"買い"だと筆者は思います。



なお、GPSモデルとGPS + Cellularモデルのどちらを買うべきか、と悩む人が多いかもしれませんが、筆者としてはGPS + Cellularモデルをおすすめします。冒頭では冗談で書きましたが、Apple Watchには緊急通報機能も搭載されているからです。転倒時でなくとも、サイドボタンを長押しして、緊急SOSをスワイプすれば同様の機能が手動で利用できます。

その場合、携帯電話会社の通信プランを契約する必要があるので、小額の維持費は発生します。でも、もしランニングなどでスマホを持たずに屋外にいる際でも、緊急通報機能を利用できるのは安心ですよね。また、何かトラブルがあった時に、電話やメッセージで連絡を取ることも可能です。watchOS 5では「トランシーバー」アプリも登場しましたので、こちらも有効活用できるでしょう。

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