ソース味が決め手「佐野黒から揚げ」 ラーメン、いもフライに次ぐ新名物になるか
栃木県佐野市の名物といえば、ラーメンといもフライ。佐野ブランドのキャラクターで2013年にゆるキャラグランプリで優勝した「さのまる」もラーメン鉢形の笠をかぶり、いもフライの剣を持っているほど定番のご当地グルメだ。
そんな佐野では、いま第三の名物候補ともいえる黒い鶏から揚げが注目されている。18年7月ごろから「佐野黒から揚げ」として市内の8つの飲食店で提供され始めた。Jタウンネット編集部は8月29日、そのレシピを開発した「パパプロe街(いーまち)佐野奉行所」に取材した。
「佐野黒から揚げ」(画像は佐野市都市ブランド推進室提供)
どこか懐かしい味
「パパプロe街佐野奉行所」とは、佐野市を愛するパパたちが、地元の魅力を発掘しPRする「佐野パパプロジェクト」の活動グループでメンバーは10人いる。今回、取材に応じてくれたのは、奉行(代表)の島田明さんだ。
島田さんによると、佐野の食文化としてソースが根付いていると言う。いもフライにもソースが欠かせない。
「『佐野黒から揚げ』のきっかけは、たまたまグループの中に『ウチのから揚げ、昔からソース味なんだ』という方がいて、実際に食べさせてもらったら、ソースせんべいのようなどこか懐かしさを感じる味で、ウマかったんです」
それが約1年前。それから、もっとおいしく、かつ特長を出すためにレシピ開発をスタートさせたという。
「ソースを使って揚げると自然と黒くなってしまいます。最初はこの色をどう抑えようかと考えましたが、逆手にとって『黒』を全面に打ち出すことに。味付けはソースの甘みが引き立つスパイシーなものを目指しました。またガリッとするくらい食感よく仕上げたかったので、小麦粉と片栗粉の割合も本当に苦労して調整し続けました」
名乗るには5つの条件がある
こうして、佐野のパパたちが作り上げたレシピは、地元の飲食店に公開された。以下の5つの条件を満たせば、「佐野黒から揚げ」として販売できる。
1.ソース味であること
2.衣がカリッといや、ガリッとクリスピーであること
3.黒であること
4.後味がピリッとスパイシーであること
5.パパプロe街佐野奉行所のお墨付きを得ること
島田さんは、「目標は販売してくれるお店を20店舗まで増やすことです。同じ条件でもお店の味がそれぞれあり、どれもおいしい。我が家の子どもたちも喜んで食べています。ヤミツキになる味なので、多くの人に食べてもらいたい」と言う。
現在、「佐野黒から揚げ」の冷凍食品キットも開発中だとか。地元のパパたちが作った新メニュー、佐野のご当地グルメとして定着してほしい。
パパプロe街佐野奉行所のメンバー(佐野市都市ブランド推進室提供)