W杯期間のAirbnb予約データから見る、各国サポーターの動向
2018サッカーW杯ロシア大会は、フランスの20年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。寝不足になりながらも、自宅やスポーツバー、パブリックビューイングで声を枯らした方も多かったのではないだろうか。
多くの注目カードをより一層盛り上げてくれたのは、現地で観戦するサポーターたちの声援である。民泊サービス「Airbnb」の大会期間中の予約データからは、そうしたロシア入りした各国サポーターたちの意外な動向が浮かび上がった。
76%が海外から。ロシア国内では1次L突破後に予約殺到
6月14日からのW杯期間中、Airbnbでロシア国内に宿泊した人は総勢277,000人で、前年同期の4倍に達した。
海外からの旅行者がうち76%を占め、出発国別では米国、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリア、英国、フランス、ドイツ、ペルーと、サッカー競合国が上位を占めた。
出場を逃したイタリアからも1,200人、オランダからも1,000人以上が詰めかけ、熱戦を見守った。
出場国中、世界ランキング最下位だった開催国ロシアは、開幕戦から攻撃力を爆発させ、ついには強豪スペインをPK戦で下し、1次リーグを突破してみせた。
この“まさかの”快進撃に全ロシア国民が熱狂し、1次リーグ突破後に急きょ、Airbnbに予約が殺到した。その数は38,000人を超え、開催国の盛り上がりぶりが伺えた。
明暗が分かれたイングランドとフランス
決勝戦の週末の予約数を見ると、「自国の優勝を信じて疑わなかった国」がどこなのかが見えてくるが、トップを占めたのはイングランドだった。
代表の応援ソング「スリーライオンズ」が国内ヒットチャート首位に踊り出るなど、祝勝ムード一色だっただけに、準決勝敗退が悔やまれる。
続いて多かったのが優勝国・フランスとなり、その期待に応える結果となった。そのほかにはドイツ、韓国、ブラジル、アルゼンチン、メキシコからの予約が目立った。
ロシアホストのホームシェアリングデビュー戦に
今大会は国内11都市が会場だったため、サポーターは広大なロシアの大地を駆け巡っての応援となった。Airbnbの都市別宿泊者数ランキングでは、開幕戦・決勝戦も行われたモスクワが最多で97,000人超だった。
続いてサンクトペテルブルクが82,000人、カザンが26,000人、サマラが17,000人超、ニジニ・ノヴゴロドが15,000人超という結果になっている。日本戦が行われたサランスク、エカテリンブルグなどはランクインしなかった。
また、今大会の期間中に宿泊を受け入れたAirbnbホスト(宿泊場所の提供者)の58%にとって、このロシア大会が“デビュー戦”になり、ロシアに押し寄せたサポーターたちの疲れを癒した。
日本においても、2019年ラグビーW杯、2020年東京五輪を控え、宿泊施設の充足が課題となっているが、同様の動きが見られるかどうか注目したい。
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