イラスト投稿SNS大手の『Pixiv』社長が、元アイドルの女性にセクハラを行い提訴されていたという報道があった。Twitterで「Pixiv」と検索すると、次いで「退会」が表示されるなど、今回の騒動に不快感を示すユーザーが相次いでサービス退会するなど、大きな波紋を呼んでいる。

Pixivにイラスト等の作品を投稿しているユーザーが移転先を探す中、とあるユーザーがTwitterに投稿したつぶやきが話題に。

イラスト投稿サイト「創作SNS GALLERIA」の操作性を分かりやすく紹介しており、現在1万2千を超えるRT、1万8千以上のお気に入りを記録。

https://galleria.emotionflow.com/

このつぶやきをきっかけに、「創作SNS GALLERIA」への登録は急増。運営会社が「サーバー負担によるアクセス遅延のお詫び」を出すなど大きな反響を得ている。

今回、ガジェット通信編集部は「創作SNS GALLERIA」の立ち上げから運営を行う川合氏にインタビューを敢行。開発のきっかけや、他サイトに無いこだわりなどを聞いた。

――現在「創作SNS GALLERIA」にユーザー登録する方が増えているそうですが、どのくらいのペースで増えているのでしょうか?

川合:今は1日数千人のペースで新規登録いただいており、先日は1日で五千人の登録が’ありました。

――1日で5千人! それは「創作SNS GALLERIA」の歴史の中でもかなり多いのでしゃないでしょうか?

川合:このサービスを立ち上げてもうすぐ8年になるのですが、今までで一番大きい反響です。と、いうのも正直立ち上げてからずっと鳴かず飛ばずで(笑)。私は「手書きブログ」というサービスも開発しているのですが、「創作SNS GALLERIA」立ち上げ当初は「手書きブログ」の人気もあって流れてくる方も多くて、その後はPixivさんや他社サービスと比べたらずっと低空飛行でした。去年の12月に大幅なリニューアルをしたら、以前より登録者の増加ペースが2倍になるという明るい兆しはあったのですが。

――今回の騒動を受けて、一気に登録者数が増えて驚かれたのではないですか?

川合:それが、この件が明らかになって急激に登録者数が増えたわけでは無いんです。皆さんがそれぞれイラスト投稿の移転先を探していたかと思うのですが、そんな時とあるユーザーさんが、「創作SNS GALLERIAの良いポイントまとめ」といったつぶやきをTwitterに投稿してくださって。それをきっかけに一気に増えました。そのまとめがすごく分かりやすくて、サービスを開発して運営している自分はこんな上手な紹介の仕方が出来ないのに、すごいなあ、ありがたいなあと感謝しきりです。

――「創作SNS GALLERIA」の一番のこだわりポイントはどんな所にあるのでしょうか。

川合:「見せたい」という欲求を一番大切にしようと開発しました。何か物を作って、誰かに見てもらって、褒められたり理解されたいというのはすごくプリミティブな欲求だと思います。それを応援したいという気持ちがあったので、常に見せる側の気持ちが優先されるよう気をつけています。例えば、広告を作品より上に出さないという事は徹底しています。

▲「見せたい」気持ちを邪魔しない、嬉しいユーザーフェイス。

さらに、昨年12月のリニューアルでは「見せたい」に「守る」という要素を追加しました。イラスト等の創作物はユーザさんにとっては自分の分身のようなものだと思うんです。それをどのような形で見てもらうかに関しても創造した本人がコントロールできるのが理想です。とにかく多くの人に見てもらったり利用してもらいたいという場合もあれば、ブラウザ上だけで見てもらいたい場合もあるでしょう。なので、自分の明確な意思を表すことの出来るボタンを実装しています。

▲転載、クレジット常時、ダウンロードなど細かく設定出来る様になっている、

――なるほど、それってありそうで無かった機能ですよね!

川合:そうなんです。意外と無かったんですよね。見せ方のコントロールとして「公開範囲」も細かく設定出来ますし、作品をアップする皆さんに選んでもらって使っていただきたいです。

――今後追加していきたい機能等はありますか?

川合:ユーザーさんと約束しているのは、小説機能です。きちんとした小説機能を作る。この”きちんとした”がどの程度なのか、複雑になりすぎても良くないので現在模索している所ですが、近いうちに必ず実装するので待っていて欲しいです。それからアプリの準備も進めたいと思います。悩んでいるのはユーザ間で金銭が流れるような仕組みを提供すべきか、提供したとしてどのような形が良いのかということです。

お金に関係無く、自分の作品を世の中に発表したいという方はたくさんいて、そういう方は自分が作品を投稿しているサイト内でお金が動いているのを感じたら嫌だと思うんです。僕はコミケ等の販売会で使われる「頒布」という言葉が好きで、「材料費(印刷代)だけで結構なので、私の作品を見てください」という考え方って心が動かされる感じがします。紙がインターネットに移り、材料費がカットされる様になったら、もっと表現する人の負担は減ると思いますし、作品を通してこの熱い想いが共有される仕組みが出来ればなと。

一方で、自分の作品で収入を得て、社会的にも認められて、プロになりたいというのもまた健全な欲求だと思います。そういう方を応援出来る仕組みも作りたいなと。最近は投げ銭式のサービスも増えていますが、どういうやり方が一番ベストなのか、こちらも模索しています。

――これからもどんどん「創作SNS GALLERIA」の世界は広がっていきそうですね。

川合:「創作SNS GALLERIA」を多くの方に知っていただくきっかけとなったのは、今回の騒動かもしれませんが、あっちが嫌だからこっちに移るという、ネガティブな移転ではなくて、「こういうサービスがあるんだ」「この機能面白いな」と気づいてくれたなら本当に嬉しいと思っています。

僕は「手書きブログ」が流行りはじめた頃に「運営なんだからもっと仕切って!」とユーザーさんに言われたことがあって。今回の、自分では上手に紹介出来なかった「創作SNS GALLERIA」の便利なポイントをユーザーさんがまとめてくださった事もそうですが、僕に足りない部分は皆さんの意見をどんどん反映していきたいと思っていますので、ぜひ色々教えていただけると助かります。

――今日はどうもありがとうございました。

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