メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスで大活躍中の大谷翔平選手。彼が高校生のときに作っていたという、まるで仏教のマンダラのような「目標達成シート」なるものをご存知でしょうか? 実は経営にも役立つというその内容を、無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者・梅本泰則さんが詳しく紹介しています。

マンダラチャートで目標達成

マンダラチャートをご存知でしょうか。仏教の曼荼羅をヒントに、経営で使われるようになったチャートです。事業計画や商品開発、問題解決などに活用されています。

形は四方形で、3×3の9つの四角形で構成されたものです。そして、一つずつの四角形は、それぞれ9つのマスに区切られています。

このチャートは、「目標達成シート」として活用されることも多いです。実は、このチャートをうまく活用し、目標を達成してしまった野球選手がいます。その選手の名は、大谷翔平。今、アメリカで大活躍です。

彼は、高校1年のときに「目標達成シート」を作ったと聞いています。その内容を見ますと、驚きしかありません。本当に16歳の学生が作ったのだろうかと思わせる、素晴らしい内容です。その内容を簡単に紹介しましょう。

 

 

 

まず、シートの9つの四角の中心にある四角が、「達成するための要素」になります。そして、その四角は9つのマスに区切られていて、中心のマスに「達成目標」を書き入れるのです。

大谷選手の目標は「ドラ1、8球団」とあります。ドラフト会議で8球団から1位指名を受けることを目標にしたのですね。実際、大谷選手は卒業時にメジャー行きを希望したため、日本ハム1球団からしか1位指名を受けませんでした。メジャー行きを希望しなければ、8球団どころか12球団から1位指名があったかもしれません。十分に目標は達成しました。

それはともかく、大谷選手は「ドラ1、8球団」を達成するために何が必要だと考えたのでしょう。

大谷選手のすごさ

それは、次の通りです。

コントロール(を良くする)キレ(のある球を投げる)スピード160km(を出す)変化球(をマスターする)体づくり(を行う)メンタル(を強くする)人間性(を向上させる)運(を味方にする)

いかがですか。この時すでに160kmのスピードボールを目指していたことが分かります。高校生ですよ。ここからして、他との違いを感じます。

さらに、「人間性」が大事だと考えていたのには、ビックリです。高校野球の選手が考えることでしょうか。そのうえ、「運」も大事にしています。何か次元が違う選手のようですね。

そして、これら8つの必要な要素に対して、それぞれ行うべき要素が書かれています。例えば、「スピード160km」の項目では

・下肢の強化

・体重増加

・肩周りの強化

・体幹強化

などがあげられています。また、「運」では、

・ゴミ拾い

・本を読む

・プラス思考

・道具を大切に扱う

・あいさつ

などとあります。おそらく、こうしたことを一つ一つ実行してきたからこそ、今の大谷選手があるのでしょう。彼の目標達成能力は、並みではありません。

そこで、大谷選手にならって、あなたのお店の目標を、マンダラチャートで作ってみることにしましょう。

お店の目標達成シート

まず、あなたの目標は「地域一番のお店になる」ことでしたね。それを、チャートの真ん中のマスに書いてください。

そして、その周りの8つのマスに、テーマを書いていきます。テーマの考え方は、「人、モノ、金、情報」といった経営資源でも良いですし、戦略の4Pである「商品、価格、流通、プロモーション」から考えても良いでしょう。

例えば「人、モノ、金、情報」で考えた場合、

経営者の能力を伸ばす従業員が満足できる会社にする在庫をコントロールする店舗力を上げる粗利益を増やす営業利益を増やすインターネットを有効活用するコミュニティを作る

といったことにでもなるでしょうか。いずれにしても、あなたが考えたテーマをマスに埋めてください。そして、それぞれのテーマと同じことを、周りの9マスに区切った四角の中心に記入します。

次に、それぞれテーマに沿った具体策を考えます。思いついた策を順番に列記していくと良いです。例えば、

POSの活用をする手書きのチラシで集客する改善提案制度を進めるお客様の声を集めて活かす店舗ブログを毎日書く徹底的にお店の内外を掃除する町のイベントに参加する

といったように。それらの中から当てはまるものを、テーマの周りのマスに書いていきます。

さあ、これであなたのお店の目標達成シートの完成です。あとは実行あるのみ。大谷選手のように、達成目指して頑張りましょう。

■今日のツボ■

大谷翔平選手の目標達成力は並外れている。目標達成をするために、マンダラチャートを使うと良い。目標達成の要素は、経営資源や4Pから考える。

image by: flickr

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