8日に閉幕した水泳の日本選手権で、出場した全4種目で6個の日本新記録を出した池江璃花子。特に100mバタフライでは、リオデジャネイロ五輪の銀メダリストのタイムを上回っている。

9日放送、テレビ朝日「報道ステーション」では、スポーツキャスターの松岡修造氏が池江にインタビュー。計り知れない伸びしろを持つ17歳のすごさに迫った。

相次ぐ記録更新の感想を問われると、池江は「今までの自分のタイムは速くなかった」と思ったと返答。「今のタイムもめちゃめちゃ速いとは言えないですけど、今までのタイムは全然まだまだだったなって思います」。

実際、池江は今大会で日本新記録が「絶対出ると思っていた」「良い記録が出てもおかしくないと思っていた」と語る。それは練習を積み重ねたことで「自信があったから」だ。

では、「最高の池江璃花子」はどれほどなのか。この質問に、困惑した池江の口からは「限界が分からない」「どこまでいけるか分からない」「(今は)そんなに高くはない」との言葉が飛び出した。

バタフライで五輪2大会銅メダル獲得の松田丈志氏は、東京五輪での池江について「メダルはもう当然」とコメント。「金色に変えられるかどうかだと思っています」と太鼓判を押す。

飛躍の一端を担ったのは、パワーの強化だ。これまでは最大推進パワーが世界はおろか、日本の代表選手の平均にも及ばなかったことで、池江はパワー強化の練習を倍増。これにより、松田氏は「泳ぎが非常に力強く」なったと証言する。

さらには、レースに臨む意識も変化した。象徴的だったのが、100mバタフライの準決勝だ。普通は決勝に向けて体力を温存し、記録が出ないものだが、池江は日本新を更新した。

池江は「優勝することも大事」としつつ「今の自分には世界で戦う力が必要」と、「世界大会を想定したレース」をすることを決断。「予行演習・リハーサル」のように大会に臨んだと明かした。

実際、池江はこれまでの世界大会でプレッシャーから準決勝で力を出し切れないことがあり、決勝にも影響が出ていた。去年7月の世界水泳でも、個人で4種目に出場したものの、結果は最高6位に終わっている。

池江は「そういうときがあったからこそ、今シーズンはずっと練習も頑張れてこれたし、自分を追い込むことができた」「絶対にもう、東京五輪まではそういう悔し涙は流したくない」と、大きなモチベーションになっていると述べた。

2020年を見据え、池江は「あと2年くらいの間で、今回の日本選手権みたいにどれだけ自信を持ってレースに臨めるか。今からコツコツやったら全然東京に間に合うと思う」と、意気込んだ。

ただ、今大会での記録ラッシュが驚異的であることは変わらない。「自分になんて言ってあげたいですか?」という松岡の質問に、池江は「え〜…『すごい』。『本当にすごい』」と回答。「まだまだですけど、とりあえず今の段階ではすごいと思います」と自らの快挙を喜んだ。