武尊

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24日、TBS「バース・デイ」では、今月21日に行われたK-1さいたまスーパーアリーナ大会でK-1初の3階級制覇を達成した武尊に密着、その過酷でストイックな日々の様子を伝えた。

新生K-1の象徴といえる武尊については、かつて一時代を築いた魔裟斗も「今のK-1を背負っているのは間違いなく武尊ですね。自分がエースだっていう自覚をしているし、自分が魅せて勝たなければっていう意識はあると思います」と認めている。

その練習は、K-1系のジムで最も過酷といわれるK-1ジム相模大野KRESTで行っている武尊。同ジムのスパーリングでは、ヘッドギアこそ着用しているものの、相手選手をKOする勢いで激しく打ち合い、渡辺雅和代表も「試合と一緒ですね。倒す癖を作らないといけない」と語る。

番組のカメラが取材を行ったこの日は、K-1ジム・ウルフの覇家斗が出稽古にきており、武尊とスパーリングをするも、武尊はその側頭部を抉るようなフックを連発。覇家斗をスタンディングのダウンに追い込むと、最後はカウンターで顎を撃ち抜きノックアウトしてしまった。

そんな武尊は、アンディ・フグや魔裟斗に憧れ、幼少の頃から空手に打ち込むと、2010年、高校卒業と同時に鳥取から上京。K-1ジムに入門しトレーニングに明け暮れるも、その一年後、K-1は活動休止に。

19歳当時を振り返った武尊は「目標を失うじゃないですけど、小さい頃からずっと憧れて、そのために東京出てきたのになくなっちゃったんで」と話したが、「絶対また盛り上げればK-1は戻ってくると思った」と決して腐ることなく練習に打ち込み、「Krush」でのプロデビューを選ぶと、2013年にはKrush58キロ級王座を奪取。新生K-1が旗揚げしたのは、その翌年だった。

以後、K-1の2階級で王座を獲得した武尊だが、「K-1全体で過去も全部含めて武尊が一番すごかった。K-1=武尊っていわれるような選手になりたい」とその目標は果てしなく高い。3階級制覇を達成した先のビッグマッチでは、上の階級で戦うため、筋肉量を増やして体を大きくしながらもスピードを落とさない神経系トレーニングを徹底、自宅では毎日自炊をしながら食生活も厳しく律した。

「色んなプレッシャーがあるのでこれをやってないと逆に不安になる。もしこの試合負けたら周りはどんな反応になるんだろうと考え出すとナーバスになるタイプ」。番組のカメラに本音を吐露した武尊だったが、その責任感こそがエースの証か。新生K-1史上最高となる1万5千人の観客の前で1日3試合を勝ち抜いた。