【MLB】防御率27.00&打率.100…米記者、大谷の“開幕マイナー”は「筋が通ってる」
OP戦は投打両方で苦しむ二刀流、今後を見据えてマイナーでスタートすべき?
エンゼルスの大谷翔平投手は16日(日本時間17日)、米アリゾナ州テンピでの本拠地ロッキーズ戦に先発し、2回途中で2被弾を含む7安打3奪三振2四死球7失点(自責7)と炎上した。初回は無失点に抑えたものの、2回は先頭デズモンドに左翼へのソロ弾を浴びると、3番アレナドにも左翼への3ランを被弾するなど7失点。1死を奪ったところで降板となった。打者としては20打数2安打、打率.100。投手としてはオープン戦2試合先発で防御率27.00、練習試合を含めても計8回1/3を投げて19安打17失点。メジャーへの適応段階とはいえ、二刀流の厳しい現実に米メディアは「(マイナーへの)降格は筋が通っている」と伝えている。
主力中心のロッキーズ打線を相手に、98マイル(約158キロ)の直球などで初回は無失点に抑えた大谷。しかし、3点リードの2回は先頭デズモンドに速球を左翼席へ運ばれると、死球、右前打、左前打で無死満塁に。ブラックモンに2点タイムリーを浴び、同点に追いつかれた。なおも無死一、三塁からラメーヒューの遊撃内野安打で逆転を許し、主砲アレナドにはフルカウントから6球目の低め速球を左翼席に運ばれる3ランで7失点目。続くストーリーを空振り三振としたところで降板となった。この日は75球程度が予定されていたが、50球でマウンドを降りた。
この登板を受けて、米メディア「ジ・アスレチック」は「オオタニの不振が続く、3Aでシーズンを迎える可能性は?」とのタイトルで特集記事を掲載。長年、ドジャースとエンゼルスを取材するペドロ・モーラ記者は、今後のためにも開幕はマイナーで迎えるべきとの見方を示している。
「スカウトはオオタニの球が通用すると信じている」も…
同記者は「今のところ、金曜日が最悪の先発となった」と、この日の投球を振り返った上で、あるナ・リーグのスカウトが「彼は23歳だ。彼は恐らくメジャーリーグでスタートするべきではない」と話していたことも紹介している。
大谷がマイナーで開幕を迎えるべきだというのは、決してネガティブな意見ではない。記事では「一様に、調査の対象となったスカウトはオオタニの球がメジャーリーグのレベルで通用すると信じている」とも指摘。素質は申し分ないが、まだ適応段階であり、時間が必要だというのだ。それは打撃にも共通するもので「より大きな問題は(開幕まで)2週間もない中で彼が同時に打撃のタイミングをつかみ、安定して投球できるようになるのかということである」と言及している。
また、「もしオオタニが4月12日以降に(メジャー)召集されると、エンゼルスは29歳のシーズンまで彼を球団に置くことができる。もし彼らが信じる姿にオオタニがなれば」ともレポート。メジャー契約が4月12日以降となれば1年分(レギュラーシーズンのうちの172日間)に届かず、MLB在籍期間6年で得られるフリーエージェント(FA)の権利取得を1年遅らせることができる“メリット”もあるというのだ。
モーラ記者は「彼の降格は筋が通っている。短期間での活躍は素晴らしいものだ。しかし長期間なら、さらに良い」と締めくくっている。しっかり助走期間を設け、メジャーでより長く活躍するための準備を整えるべき――。ビリー・エプラーGMらエンゼルスの首脳陣も大谷はまだ育成段階との見解を示しているが、開幕前にどのような結論を出すのだろうか。(Full-Count編集部)