プロボクサー復帰宣言をした「亀田興毅」心配は過剰飲酒生活
「日本でまだやり残したことがあるんでね」
やはりこの男、ただの脇役では終わらない。
年が変わったばかりの1日夜、ボクシング界の頂点を極めた「亀田3兄弟」の長男・興毅(31)が現役プロボクサーへの復帰を宣言した。
この日は、10時間におよぶ生放送特番『AbemaTV新春ボクシング祭り! 亀田一家人生を賭けた3大勝負』に出演。トレーナーとして所属する協栄ジムの4回戦(デビュー戦)興行から、目玉コンテンツである『亀田大毅に勝ったらお年玉1000万円』まで、試合解説とセコンドを務めた。
AbemaTVが懸賞金をかける「勝ったら1000万円」企画は、同局1周年を記念して昨年5月に立ち上げられた人気特番。第1回は他ならぬ『亀田興毅に勝ったら1000万円』で、引退から1年半ぶりにリングに上がった。1カ月半ほどの準備期間を経て臨んだが、体力が戻りきらず、後半は苦しみつつも、なんとか4戦全勝を果たした。
今回の特番の主役、次男・大毅(29)は2年超のブランクがある上、準備期間はわずか25日間。興毅よりはるかに悪い条件に心配の声が上がったが、本人は「相手は素人でしょ? ミット打ちみたいなもん」と豪語。当日、放送内のVTRで「ブランクをなめたらアカン」と興毅が諌める場面もあった。
蓋を開けてみれば、大毅は圧勝だった。
プロボクシングではありえない連戦。こすれた肩の腫れが赤紫色に膨れ、肩が上がらなくなる。引退の原因となった網膜剥離(現在は治っている)の影響で夜は視力が落ちているとこぼした。それでも大毅は、代名詞であるハードパンチを的確に相手に叩き込み、会場を大いに沸かせた。
興毅の連戦数を超える5試合をくぐり抜けたのち、もう一つの代名詞である「凱旋歌」を歌い上げて、さらなる感動を誘った。
興毅が復帰宣言をしたのは、10時間を締めくくるエンディングだった。「亀田特番」の2回ともMCを務めたロンドンブーツ1号2号の田村淳から「興毅くんから重大発表があるんだよね」と振られた興毅が語り始めた。
「今回、大毅の試合をきっかけに、4回戦の試合が放送されたり、ボクシングに今までにない流れがきています。僕にも、やらなければならない試合があるんです。それがもしできるのであれば、もう一回リングに上がろうと、現役復帰しようと思います。しっかり整ったら、またお話をさせていただく」
2015年10月、米シカゴで当時WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平に判定で敗れ、「きれいさっぱりやめる」と海外で引退した興毅。当時の亀田3兄弟は、日本ボクシングコミッション(JBC)との訴訟で事実上の資格剥奪の処分を受けており、日本国内のリングには立てない状況だった。
しかしその後、JBCと和解が成立。興毅は昨年1月にトレーナーライセンスを取得し、古巣の協栄ジムで日本ボクシング界に復帰した。今回の「大毅特番」に際した本誌のインタビューにも、「日本で引退試合ができなかったことが心のどこか残っている」と答えていた。
興毅が現役復帰するための最大の難関は「下半身の再起」だ。もともとフットワークを武器とするタイプのボクサーだった興毅は、「暴飲暴食生活ですよ」と自嘲した飲酒生活によって、足がついていかなくなっている。事実、「興毅特番」の際も、何度も足をつりかけていたことが、後日放送された「裏側見せます」番組で流されている。
それでもAbemaTVの「亀田特番」担当プロデューサーは、興毅の思いの強さに全幅の信頼を置いている。
「実は昨春出会ったときからずっと、興毅さんには現役復帰の意志がありました。自分が戦うことでボクシング界に注目を集めて盛り上げて、恩返ししたいんだと言い続けています。我々もその思いに応えたい。現役復帰までの道のりは、密着して伴走していきますよ」
弟の大毅が「これが最後の試合」だと言い、ハードパンチと熱唱で下地を敷いた日本ボクシング界の花道。大将・興毅は満を持してその道に上がる……だが前に、まずは禁酒生活だ!