松山英樹【写真:Getty Images】

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全米プロ選手権、暫定首位浮上…「無冠の帝王」と決別へ「彼の母国にとって転換点となる」

 海外男子ゴルフの全米プロゴルフ選手権(クウェイルホローC)第2日は11日(日本時間12日)、15位タイから出た松山英樹(レクサス)が7バーディー、ノーボギーと圧巻の「64」でスコアを7つ伸ばし、通算8アンダー。ケビン・キスナー(米国)と並び、暫定首位に立った。米メディアでは今季ツアー3勝と絶好調の松山が「無冠の帝王」の異名をついに返上するのか、特集している。

 米ゴルフ専門テレビ局「ゴルフチャンネル」では今季最後のメジャー大会を特集。優勝候補3人のうち、衝撃のチャージで暫定トップタイに立った松山を筆頭に挙げている。

「マツヤマはメジャータイトルを持たない最高の選手というありがたくない異名を冠されていた。本当の意味で、タイトルへの挑戦を成し遂げたことがないため、常に“ちょっとした間”が伴うことになる。彼は今年のエリンヒルズ(全米オープン)で2位となったが、ブルックス・ケプカと4打差。そして、メジャーのトロフィーがかかった重大なショットを打つ重圧をまだ感じていない」

「無冠の帝王」の称号を返上するには、メジャータイトルがかかった場面でプレッシャーに打ち勝つことができるか、という課題を指摘している。

 圧倒的なチャージを見せる絶好調の松山には、日本人初の栄光に関する生みの苦しみ以外、死角は存在しないという。

「怪物」が示した異次元の集中力「栄光を掴むチャンスが間違いなく訪れている」

「しかし、日本の怪物はキャリア最盛期の真っただ中にある。すでに今季は3大会で優勝し、ファイアストーン(ブリヂストン招待)ではコースレコードタイの61で回った。金曜日には天候の問題で103分間遅延となったが、それも彼の勢いをほとんど削ぐことはなかった。松山はボギーなしの64で回った。苦もなく、今週の最小スコアに並んだのだ」

 15番では1打目を打った後にプレー中断を余儀なくされたが、研ぎ澄まされた異次元の集中力は変わらなかった。圧巻の4連続バーディーなどで、キスナーに一気に追いついた。

「キスナーと8アンダーで並んだ今、メジャーの栄光を掴む最高のチャンスが間違いなく訪れている。彼の母国にとっては転換期となることだろう」

 記事では、松山が日本人初のメジャー制覇の偉業を果たせば、日本のゴルフシーンを一変させるほどのターニングポイントになると予想している。

 無冠の帝王から、真の王者へ――。松山の栄光への軌跡を米メディアも熱い視線を送っている。