即デビューか、じっくりか…近年の高卒ドラ1投手を振り返る
◆ 即デビューはあるか
各球団でルーキーたちの入寮がスタート。6日には西武のドラフト1位・今井達也が黄金に輝くだるまを持参して入寮したことで話題になった。
甲子園優勝投手にかかる期待はもちろん大きく、割り当てられた部屋はあの松坂大輔や菊池雄星といった歴代の高卒ドラ1投手たちが生活を送っていたいわゆる“出世部屋”だ。
今井のほかにも、今年は寺嶋成輝(ヤクルト)や藤平尚真(楽天)、堀瑞輝(日本ハム)といった甲子園をわかせた投手たちがドラフト1位でプロ入り。高卒ということで最初はじっくりファームでという考えが一般的ではあるが、1年目からの活躍を期待したい気持ちももちろんある。
というわけで今回は、近年のドラフト1位入団投手の“1年目”に注目。先輩たちはどのようなルーキーイヤーを送ったのか、調べてみた。
◆ 対照的な2015年組の2人
2015年のドラフト組では、高卒ドラ1投手は2人だけ。甲子園優勝投手の小笠原慎之介(中日)と、最後の夏に甲子園出場を逃しながらも3球団競合となった高橋純平(ソフトバンク)である。
小笠原は開幕こそ二軍で迎えるも、5月24日には一軍に昇格。1週間後の5月31日には先発デビューを果たし、ソフトバンク打線を相手に5回を1失点に抑える力投を見せた。しかし、初登板初勝利とはならず、するとそれ以降は5連敗を喫するなどなかなか勝ち星に恵まれない日々が続いた。
途中で昇格と降格を経験しながら、9月4日の巨人戦でようやく嬉しいプロ初勝利。終わってみれば1年目から15試合に登板し、2勝を記録した。
このオフに左肘の手術を行った関係で、今季の開幕に間に合うかどうかは微妙なラインとなっているが、2年目の飛躍に大きな期待がかかる。
一方の高橋はというと、選手層の厚いチームに入ったこともあって1年目はファームでじっくり。その中でも7試合に登板して2勝1敗、防御率は2.22と大器の片鱗を見せつけた。こちらも2年目の今季にかかる期待は大きい。
【2016年成績】
▼ 小笠原慎之介(中日)
一軍:15試(72回1/3) 2勝6敗 防3.36
二軍:9試(45回2.3) 3勝2敗 防4.93
▼ 高橋純平(ソフトバンク)
一軍:登板なし
二軍:7試(28回1/3) 2勝1敗 防2.22
◆ デビュー月に月間MVPの衝撃
2年前のルーキー、2014年ドラフト組は3人が高卒で1位指名。高校2年時に甲子園優勝投手となった高橋光成(西武)、2年春の選抜で772球にも及ぶ熱投の末に準優勝投手となった安楽智大(楽天)、そして150キロ右腕として注目された松本裕樹(ソフトバンク)だ。
最もデビューが早かったのは西武の高橋で、8月に一軍デビューを果たすと、初登板こそ黒星スタートとなったものの、そこから破竹の5連勝。月間MVPに輝くなどの活躍を見せた。
安楽もじっくり二軍で経験を積んだ後、最終盤の10月5日にデビュー。チャンピオンのソフトバンク打線を6回無失点に封じ、球団史上初となる初登板初勝利を掴んだ。
松本は高校時代からの故障もあり、一軍・二軍とも登板なしに終わっている。
【2015年成績】
▼ 高橋光成(西武)
一軍:8試(44回) 5勝2敗 防3.07
二軍:13試(61回) 4勝4敗 防3.69
▼ 安楽智大(楽天)
一軍:1試(6回) 1勝0敗 防0.00
二軍:19試(49回) 4勝1敗 防2.57
▼ 松本裕樹(ソフトバンク)
一軍:登板なし
二軍:登板なし
◆ 1年目から116イニングに登板!
最後に3年前のルーキー、2013年のドラフト組からは2人。2年夏の甲子園で1試合22奪三振の記録を作った松井裕樹(楽天)と、全国的な知名度はさほど高くない聖隷クリストファー高出身の鈴木翔太(中日)が1位指名を受けた。
松井は開幕2カード目から先発を果たすなど、序盤から一軍で実戦をこなすも3連敗もあって5月前には登録抹消。それでも二軍で結果を残して這い上がると、6月以降は途中リリーフを挟みながらも最後まで一軍で投げ続けた。
一方の鈴木は中継ぎとして5試合に登板。防御率は4.50だったものの、6回で8奪三振と期待させる投球を見せたが、プロ3年目を終えて一軍登板は7試合のみとやや伸び悩みの感もある。
【2014年成績】
▼ 松井裕樹(楽天)
一軍:27試(116回) 4勝8敗3ホールド 防3.80
二軍:6試(20回1/3) 1勝0敗 防0.89
▼ 鈴木翔太(中日)
一軍:5試(6回) 0勝0敗 防4.50
二軍:16試(38回) 2勝4敗 防4.74
各球団でルーキーたちの入寮がスタート。6日には西武のドラフト1位・今井達也が黄金に輝くだるまを持参して入寮したことで話題になった。
甲子園優勝投手にかかる期待はもちろん大きく、割り当てられた部屋はあの松坂大輔や菊池雄星といった歴代の高卒ドラ1投手たちが生活を送っていたいわゆる“出世部屋”だ。
今井のほかにも、今年は寺嶋成輝(ヤクルト)や藤平尚真(楽天)、堀瑞輝(日本ハム)といった甲子園をわかせた投手たちがドラフト1位でプロ入り。高卒ということで最初はじっくりファームでという考えが一般的ではあるが、1年目からの活躍を期待したい気持ちももちろんある。
◆ 対照的な2015年組の2人
2015年のドラフト組では、高卒ドラ1投手は2人だけ。甲子園優勝投手の小笠原慎之介(中日)と、最後の夏に甲子園出場を逃しながらも3球団競合となった高橋純平(ソフトバンク)である。
小笠原は開幕こそ二軍で迎えるも、5月24日には一軍に昇格。1週間後の5月31日には先発デビューを果たし、ソフトバンク打線を相手に5回を1失点に抑える力投を見せた。しかし、初登板初勝利とはならず、するとそれ以降は5連敗を喫するなどなかなか勝ち星に恵まれない日々が続いた。
途中で昇格と降格を経験しながら、9月4日の巨人戦でようやく嬉しいプロ初勝利。終わってみれば1年目から15試合に登板し、2勝を記録した。
このオフに左肘の手術を行った関係で、今季の開幕に間に合うかどうかは微妙なラインとなっているが、2年目の飛躍に大きな期待がかかる。
一方の高橋はというと、選手層の厚いチームに入ったこともあって1年目はファームでじっくり。その中でも7試合に登板して2勝1敗、防御率は2.22と大器の片鱗を見せつけた。こちらも2年目の今季にかかる期待は大きい。
【2016年成績】
▼ 小笠原慎之介(中日)
一軍:15試(72回1/3) 2勝6敗 防3.36
二軍:9試(45回2.3) 3勝2敗 防4.93
▼ 高橋純平(ソフトバンク)
一軍:登板なし
二軍:7試(28回1/3) 2勝1敗 防2.22
◆ デビュー月に月間MVPの衝撃
2年前のルーキー、2014年ドラフト組は3人が高卒で1位指名。高校2年時に甲子園優勝投手となった高橋光成(西武)、2年春の選抜で772球にも及ぶ熱投の末に準優勝投手となった安楽智大(楽天)、そして150キロ右腕として注目された松本裕樹(ソフトバンク)だ。
最もデビューが早かったのは西武の高橋で、8月に一軍デビューを果たすと、初登板こそ黒星スタートとなったものの、そこから破竹の5連勝。月間MVPに輝くなどの活躍を見せた。
安楽もじっくり二軍で経験を積んだ後、最終盤の10月5日にデビュー。チャンピオンのソフトバンク打線を6回無失点に封じ、球団史上初となる初登板初勝利を掴んだ。
松本は高校時代からの故障もあり、一軍・二軍とも登板なしに終わっている。
【2015年成績】
▼ 高橋光成(西武)
一軍:8試(44回) 5勝2敗 防3.07
二軍:13試(61回) 4勝4敗 防3.69
▼ 安楽智大(楽天)
一軍:1試(6回) 1勝0敗 防0.00
二軍:19試(49回) 4勝1敗 防2.57
▼ 松本裕樹(ソフトバンク)
一軍:登板なし
二軍:登板なし
◆ 1年目から116イニングに登板!
最後に3年前のルーキー、2013年のドラフト組からは2人。2年夏の甲子園で1試合22奪三振の記録を作った松井裕樹(楽天)と、全国的な知名度はさほど高くない聖隷クリストファー高出身の鈴木翔太(中日)が1位指名を受けた。
松井は開幕2カード目から先発を果たすなど、序盤から一軍で実戦をこなすも3連敗もあって5月前には登録抹消。それでも二軍で結果を残して這い上がると、6月以降は途中リリーフを挟みながらも最後まで一軍で投げ続けた。
一方の鈴木は中継ぎとして5試合に登板。防御率は4.50だったものの、6回で8奪三振と期待させる投球を見せたが、プロ3年目を終えて一軍登板は7試合のみとやや伸び悩みの感もある。
【2014年成績】
▼ 松井裕樹(楽天)
一軍:27試(116回) 4勝8敗3ホールド 防3.80
二軍:6試(20回1/3) 1勝0敗 防0.89
▼ 鈴木翔太(中日)
一軍:5試(6回) 0勝0敗 防4.50
二軍:16試(38回) 2勝4敗 防4.74