クレカなしでOK!Android用「EASYモバイルSuica」って知ってる?
2016年10月25日に日本でもサービスが開始された「Apple Pay」。Felica搭載のiPhone 7/7 Plusであれば、iPhoneでもJR東日本のICカード「Suica」を登録し、交通機関での利用やSuicaを使った電子マネー決済ができるようになりました。
このことは多くのメディアでも取り上げられ話題になりましたが、ちょっと待った! そもそもAndroid端末ではFelicaを搭載したものが多く、スマホでSuica=「モバイルSuica」が使えることを忘れてはいませんか。
おサイフケータイ時代からEdyを使っている人にとっては、Android端末でのおサイフケータイサービスは身近なものかもしれません。しかし、ことモバイルSuicaとなると、クレジットカードがないと使えないというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実は以前から、クレジットカードなしでも使える「EASYモバイルSuica」というサービスが提供されているんです。登録はとても簡単。今すぐにでもできます。もちろんクレジットカードなしなので、できないこともあります。そんな「EASYモバイルSuica」の登録方法と、できること、できないことを見ていきましょう。
■登録はSuicaなしでもOK!
まずはスマホでJR東日本のモバイルSuicaのページに行きます。
「モバイルSuicaアプリ ダウンロードはこちら」を押すと、Google Playに行くので、そこでアプリをダウンロードしインストールを行います。
インストールする際、そのスマホで“おサイフケータイ”を利用したことがない場合は、初期設定が必要になります。
おサイフケータイの設定が終わったら、アプリの初期化を行います。
次に、モバイルSuicaの入会登録になります。最初の画面だけ見ると、クレジットカードが必要なのではと思ってしまいます。しかし…
下にスクロールしていくと、「EASYモバイルSuica」の入会登録ボタンが現れます。
さらに下にスクロールすると、「EASYモバイルSuica」で利用できるサービスが書かれています。
[SF(電子マネー)]と書かれてあります。そう、コンビニなどSuicaが使えるお店では電子マネーとして使えるということです。
さっそく登録していきましょう。「EASYモバイルSuica」の入会登録ボタンを押し、「会員規約・利用特約に同意する」にチェックを入れ、「会員情報入力へ」ボタンを押します。すると、各種情報を入力する画面に切り替わります。
必須項目は以下になります。
氏名(漢字)氏名(カナ)生年月日性別郵便番号携帯電話番号携帯情報端末のメールアドレスメール受信設定メールアドレスは、GmailでOKです。これら必須項目をすべて入力し、最下部の「各種設定へ」ボタンを押し、各種設定画面に移動します。
ここでは以下の項目が必須になります。
Suicaパスワード秘密の質問秘密の質問の答えSuicaパスワードは、6〜8ケタの数字を自由に設定します。これらを入力し次に進むと、設定処理が始まります。
<登録が完了しました>と出れば終了です。「メニュー」を押すと、モバイルSuicaの画面が現れます。
これで、インストールと登録が完了しました。
■スマホの利用料金に上乗せ(キャリア決済)でチャージできる!
Suicaアプリのインストールの完了後は、入金(チャージ)をすればスマホでSuicaが使えるようになります。ということでチャージしてみましょう。
まずはメイン画面の「SF(電子マネー)」を押します。ログイン画面になるので、先ほど設定した「Suicaパスワード」を入力します。
そして「モバイルSuicaログイン」を押すとお知らせ画面が現れますが、そのまま「SF(電子マネー)」を押せばOK。これでログイン完了です。
SF(電子マネー)のメニュー画面には、「入金(チャージ)」や「利用履歴表示」などが並んでいます。
なにはともあれ、入金しないと始まりません。まずは「入金(チャージ)」を押してみましょう。
すると、入金(チャージ)額入力画面になります。チャージ金額は1000円単位で、1回で1万円まで可能です。金額を入力し、「確認する」を押します。
ここで、どの方法でチャージするかを選ぶことになります。実は「EASYモバイルSuica」へのチャージ方法は3種類あります。
銀行チャージキャリア決済でのチャージ店頭でのチャージそもそもクレジットカードなしで登録しているため、当然ながら「入金する(クレジットカード)」は選べません。
▼1.銀行チャージ
現在「EASYモバイルSuica」にチャージできる銀行は、以下の3行になります。
みずほ銀行三菱東京UFJ銀行じぶん銀行みずほと三菱東京UFJは、それぞれネットバンキングサービス「みずほダイレクト」「三菱東京UFJダイレクト」を契約している必要があります。
また、みずほと三菱東京UFJは、チャージする際に別途手数料がかかります。そして3行とも、毎日深夜2〜4時は利用できないなど、時間帯によってはチャージできない場合があります。
「入金する(銀行口座)」を選んで進むと、各銀行のサイトへアクセスします。お客様番号と暗証番号を入力すれば、自分の口座から「EASYモバイルSuica」へチャージできるようになります。
▼2.キャリア決済チャージ
「EASYモバイルSuica」における最大の注目ポイントが、契約キャリアでの決済チャージが可能なことです。これは通常の「モバイルSuica」では利用できず、「EASYモバイルSuica」だけのサービスになります。現在はドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアで利用できます。
入金(チャージ額)確認画面で「入金する(通信キャリア)」を選びます。そして「ドコモケータイ支払い」「auかんたん決済」「ソフトバンクまとめて支払い」から、自分の契約キャリアを選び、各キャリアの決済サービスサイトへIDとパスワードを入力してログイン。最後に「購入する」ボタンを押せばチャージ完了です。
このキャリア決済チャージには、いくつか注意点があります。
1カ月あたり3000円まで携帯電話料金の支払い手段によって利用できないこともある深夜2〜4時は利用不可試験的なサービスという側面はありますが、急きょチャージしたいが店が見つからない、といったときには便利です。
▼3.店頭でのチャージ
これは、Apple Pay版モバイルSuicaの時に報じられたものと同様に、各種コンビニやスーパー、家電量販店、ドラッグストアといった店舗や、JR東日本の駅ナカコンビニ「NEWDAYS」などでチャージできます。
[コンビニ]
セブンイレブンローソンファミリーマートサークルKサンクスミニストップスリーエフデイリーヤマザキローソンストア100セイコーマート他
[スーパー]
イオンピーコックストアまいばすけっと他
[家電量販店]
ビックカメラコジマソフマップ[ドラッグストア]
ツルハドラッグくすりの福太郎ちなみに、どの方法でチャージしても、チャージできる上限額は2万円になります。
>> JR東日本「Suicaが使えるお店」
■「EASYモバイルSuica」ではできないこと
当然ですが、クレジットカード登録している「モバイルSuica」にはできて「EASYモバイルSuica」にはできないこともあります。
やはりクレジットカードを利用しないため、金額が減ると自動的にチャージする“オートチャージ”は使えません。同じく継続時などの決済方法がないため、定期券としても利用できません。
また、首都圏でいえば東海道線や湘南新宿ラインなどを走る快速に連結されているグリーン車の料金支払いにも使えません。東北や上越といったJR東日本の新幹線の特急料金の支払いも不可です。
■Suicaを利用できるところでは基本的に使える
ただし、基本機能はSuicaと同じなので、Suicaマークの付いたお店では電子マネーとして支払いに利用できます。
また、近年はSuicaを相互利用できる交通系ICカードが増えたことで、ほぼ全国の交通機関でも使えるようになっています。
[相互利用可能なICカード]
PASMO(首都圏私鉄)Kitaca(JR北海道)toICa(JR東海)manaca(名古屋地区私鉄)ICOCA(JR西日本)SUGOCA(JR九州)nimoca(西鉄ほか)はやかけん(福岡市交通局)もちろん、これらのICカードが使える店舗でも、支払いに利用できます。
■おサイフケータイ未利用の場合はスマホの設定が必要
「EASYモバイルSuica」を利用しようと思った場合、それまでに、そのスマホで“おサイフケータイ”を使ったことがない場合は、端末の設定が必要です。
「設定」から「その他の設定」を選択。
次に「NFC / おサイフケータイ 設定」を押します。
最後に「Reader/wWriter,P2P」をONにすれば完了です。
ちなみに「NFC / おサイフケータイ かざし位置について」を押せば、その端末のどこをカードリーダーにかざせばいいのかが分かります。
iPhone 7でApple Payを使う場合は、向きは関係なく端末上部をカードリーダーに近付ければいいのですが、Android端末の場合は向きがあり、そこをカードリーダーに向けていないと読み取ってくれないので注意が必要です。
もちろん、使ってみると想像以上に便利だったからクレジットカードを登録してフルサービスで利用したいという場合も、あとから登録は可能です。
Androidでは2016年12月より、Apple Payに似たデジタルウォレットサービス「Android Pay」が始まりました。今後は電子マネーからポイントカードまで、あらゆるものがスマホに一元化されるかもしれません。ただしApple PayもAndroid Payも、クレジットカードを登録しての利用を前提に設計されています。このクレジットカード登録に、二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか。
まずは、そんな人でも利用できる「EASYモバイルSuica」で、電子マネーとはどんなものなのかを体験してみるのもいいかもしれません。
(文/&GP編集部)