「葬式パフォーマンス」、山本太郎議員があっさり謝罪 支持者からも「簡単にあやまるな」「裏切りでは」の批判
参院本会議に「喪服姿」で出席するなどして物議を醸した山本太郎参院議員(生活の党と山本太郎となかまたち共同代表)に対し、2015年9月25日、山崎正昭参院議長が厳重注意を行った。これを受け、山本氏は謝罪の言葉を述べた。
山本氏がとった行動を巡っては、インターネット上で議論が巻き起こっていた。「幼稚なパフォーマンス」「中身がない」など厳しい意見と同時に「素晴らしい」「支持する」という意見も上がっていたが、今回あっさり謝罪してしまったことで双方から戸惑いの声が聞こえてくる。
「そこはつっぱらないのね」「頼むから簡単に陳謝するなよ」
山本氏は、安全保障関連法案の採決をめぐる18日の参院本会議に喪服姿で出席。安倍晋三首相に対する問責決議案の投票時には、数珠を手に焼香したり、手を合わせたりするしぐさをみせた。
複数報道によると、山崎議長は25日、山本氏を議長室に呼んでこうした行為を「品位を欠く行為だ」などと批判し、次に同じような行為があれば議員バッジを外すことになる可能性も示唆したという。これを受け、山本氏は「民主主義の破壊に対する自分なりの表現だったが、正しい振る舞いではなかった」などと陳謝したという。
18日の本会議後には、山本氏に対する賛否の声がネット上に数多く寄せられていた。ほどなくして署名サイト上では、山本氏を除名処分にすべきだとするキャンペーンがスタート。すると今度は、これに抗議するキャンペーンも始まり、共に2万筆以上を集めるほど盛り上がりをみせていた。
それだけに、議長による厳重注意と山本氏の謝罪が報じられると、
「あら、そこはつっぱらないのね。ハンパだなぁ」
「いつも謝っちゃうんだもの。軽率な人としか思われませんわ」
といった呆れ交じりの声が相次いだ。
支持していたと思しき人からも「謝罪せず貫き通せば見なおしたのに」「なんだ、陳謝しちゃうのか 山本太郎やるな〜と思ったんだけど」「頼むから簡単に陳謝するなよ。謝ってしまったら、安保法制の委員会通過の不法性を見逃すことになるだろう」といった声が上がった。行動を支持していた人たちにとっては、今回の謝罪は「裏切り」なのではないか、との指摘も出ていた。
生放送で反省してるか問われると「△」
山本氏は26日11時半から「田勢康弘の週刊ニュース新書」(テレビ東京)に生出演。冒頭の質問コーナーでは「喪服を着て数珠を手に焼香したのは反省している?」との問いに、手に持った「○」と「×」の札を両方あげ「△」の意思を示した。その理由について、
「本当は『×』であった方がいいと思うんです。参議院の本会議場という場所にそぐわないアピールだったかもしれないと(思うから)。しかし、どうしてこのようなことに至ったか。安保法案が本会議場で採決されるまでの議会制民主主義の破壊。与党側の議員たちによってルールも段取りもすべて破られ、めちゃくちゃにされてしまった後の本会議の採決になった」
と主張し、特別委員会で与党が強行採決したことを問題視した。
今回の行動については、小沢一郎共同代表からも叱責を受けたそうだ。「本気でやってるのは分かるけれど、それをふざけてると取られてしまえば、君のやっていることが元も子もなくなるだろう」と言われたという。山崎議長からの厳重注意については「自分の中で深く考えなければならないと思ってる」と神妙な表情で語ったが、明確な謝罪はなかった。
なお番組では、「葬式パフォーマンス」についての街の声や、山本議員を政治家としてどう評価するかを尋ねたアンケート結果などを紹介。その上で、いろいろな声があることをどのように受け止めるか質問すると、
「おそらく評価して下さってる方は、政治に対して興味を持って一歩踏み込み、国会内で山本太郎がどういう発言をしているのかをウォッチして下さってる方が多いんじゃないか。一方で『あいつはなっていない』というご意見の方々は、どちらかというと政治に対してどこまで踏み込んで見てるかいまいち分からない。もちろん踏み込んだ上で『なしだ!』と言われることに関しては、自分の中で改めていかなくてはいけない部分があるなとは思います」
と述べた。