【米国はこう見ている】イチローの先制打は「まるで魔法の杖」 昨季奪三振王攻略で称賛の声
華麗な一打に「まるでラウンジチェアに座っているかのよう」
マーリンズのイチロー外野手が5日(日本時間6日)の敵地ナショナルズ戦の2回に放った先制タイムリーが「魔法の杖」と絶賛された。
この日、イチローは「7番・レフト」で先発出場。その2回の第1打席で、いきなり無死三塁のチャンスが回ってきた。
ナショナルズの先発は昨季ナ・リーグ最多奪三振の右腕スティーブン・ストラスバーグ。1ボール2ストライクと追い込まれたが、4球目の81マイル(約130キロ)のカーブを巧みにとらえ、レフト前に運んだ。これで三塁走者のレアルミュートが先制のホームを踏んだ。
このタイムリーヒットに、試合を生中継したFOXテレビの解説者も興奮気味に絶賛。「イチローのヒットはまるでラウンジチェアに座っているかのようですね。リラックスして、ひょいと軽く弾き飛ばしています。見てください。深く腰掛けているかのようですね。まるで魔法の杖だ」。優雅な所作から放った華麗な一撃をそう分析し、リーグ屈指の剛腕を攻略した打棒を「魔法の杖」とまで評した。
今季5度目マルチ&好走塁、通算安打でベーブ・ルース氏にあと「7」に迫る
イチローは足でも魅せた。エチェバリアの死球で一、二塁と広がったチャンスで、レートスが送りバント。ここでストラスバーグの送球を一塁のカバーに入った二塁手がこぼす間に、イチローは快足を飛ばして二塁から一気に生還した。
3回2死一塁で迎えた第2打席でも魔法の杖が輝きを放ち、センター前にこの日2本目のヒット。2試合連続、今季5度目のマルチ安打をマークした。
これでイチローはメジャー通算2866本となり、オールスター6度出場を誇るハロルド・ベインズ氏と並び、歴代43位タイに浮上。2873本で同42位につける“野球の神様”ベーブ・ルース氏にもあと7本に迫った。
今季4番手の外野手として加入したイチローだが、クリスチャン・イエリッチ外野手の負傷離脱もあり、ここまで14試合連続で先発出場中。開幕から出遅れたチームの巻き返しに貢献しながら、メジャー3000本という金字塔にも徐々に近づくレジェンドはその活躍を称賛されている。