21日、東証内で開いた定例会見で「逮捕や起訴で上場廃止を判断するのではない」と話す東証の西室泰三会長兼社長(撮影:吉川忠行)

写真拡大

東京証券取引所(東証)の西室泰三会長兼社長は21日、東京都中央区の東証内で会見を開き、「ライブドア<4753>の上場廃止については、ずっと同じことを言っている。逮捕や起訴で上場廃止を判断するのではなく、客観的な判断がなければ上場廃止できない」と話した。

 再逮捕のタイミングで上場廃止するとの一部報道について問われ、答えたもの。西室会長兼社長は、ライブドア自体が情報開示を行い虚偽を認めた場合と、検察や証券取引等監視委員会が明確に虚偽操作を行ったと断定した場合など、東証の基準に客観的に違反していると証明されたときに上場廃止の方向に進めると強調した。また、監理ポストに指定しているライブドア株が、投機家により売買されている可能性を指摘。「状況によっては、さらに(取引)時間を短縮する可能性もある」と述べた。

 東証は同会見で、5月末までに売買システムの注文件数を1日あたり1200万件(現行900万件)、清算システムの約定件数を1日あたり700万件(現行500万件)まで引き上げることを発表。午後の現物株立ち会い取引を30分短縮している措置を「遅くとも次のシステム能力増強が終わる5月中には解除する」とした。

 ライブドア株が上場廃止になれば取引量が減り、システム増強前でも取引時間を戻せるのではとの記者からの質問に、西室会長兼社長は「誤解している人がいるが、関係ない。1月18日に約定件数が処理件数の上限に迫ったため取引を停止したが、ライブドア株はその日、取引が成立していない」と、東証の取引全体からするとライブドアの影響は小さいとの認識を示した。

 他のマザーズ上場企業への影響について問われると、「マザーズは新興市場の活性化に意義がある。日本経済は底力を持っているし、(低迷する)新興企業も実力で株価を形成してほしい。ライブドアは残念ながら特殊な例。同じ年に上場した25銘柄のうち、ソフトブレーン<4779>など6銘柄はマザーズなど東証1部・2部に昇格している」と話した。【了】

■関連記事
LD株、取引時間さらに短縮も(2/21)
ライブ株取引時間 さらに短縮(1/25)