【ファンキー通信】プレステで保健体育!?

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 文部科学省が発表した平成16年度学校保健統計調査速報によると、学校児童のなかで「肥満傾向」の者(学校医から肥満傾向と判定された者)の割合は、幼稚園0.5%、小学校2.5%、中学校2.0%、高等学校1.5%となっている。前年度と比べると、幼稚園及び小学校で低下、中学校で上昇したものの、すべての学校段階でこの10年間は横ばい傾向にあるという。 年齢別にみると、10歳及び11歳において、3%を超えており、11歳で最も高く3.2%となっている。日本でも肥満児童の問題が提議されてより久しいが、米国ではさらに深刻だ。

 一方、アメリカではさらにその傾向が強い。カリフォルニア大学バークレー校が最近行なった調査によると、カリフォルニア州では低所得層の12歳以下の子どものうち14.1%が肥満で、全米平均の10.7%を大きく上回るという。なんでも学校側がファストフード・チェーンやソフトドリンクメーカーと契約し、その製品の消費を校内で積極的に推奨しているとか。こんな事態では保健教育も何もあったものではない。

 そんな状況に憂慮したからだろうか、この度、カリフォルニア州のレッドランズ統一学区では、エクササイズとエンターテイメントを組み合わせた「エクサテイメント」を、保健体育の通常カリキュラムに加える計画を立てているそうだ。なんとその目玉は、「プレイステーション」を大々的に授業に導入するものだという。

 使用するソフトは、コナミの『ダンスダンスレボリューション(以下、DDR)』やソニーの『EyeToy: Play』など。小学生に向けて、楽しみながら体を動かしてもらおうという試みだ。

 コナミも「弊社としても米国の社会問題にまで発展している『子供の肥満問題』に関しては、以前より関心がありました。本年これまで発売していなかったNintendo Game Cubeにて、まさに子供向けのDDRを市場投入いたしますが、単なる従来シリーズのコンバージョンではなく、子供たちにもなじみのある任天堂を代表するキャラクターである『マリオ』を通じ、DDR本来のゲームの楽しさを味わってもらえるよう、工夫して商品化することができました。音楽に合わせて体全体を動かして遊ぶことは、子供の運動・脳発育の上で、プラスになると信じています」(広報グループ)とコメント。

 「子どもたちが運動不足なのは、運動する場所がないからだ」とレッドランズ統一学区の関係者は言い、それが児童の肥満へとつながっていると指摘する。『プレイステーション』を5〜7台設置したエクサテイメントルームを設ければ、省スペースで有意義に運動ができると考えているようだ。

 肥満率は米国ほど高くないが、運動する場所が少ないのは日本の都市部の学校も同じ。この際、テレビゲームを体育に取り入れ、肥満児童対策を図ってみるのもアリかもしれない。(文/verb)