海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(資料写真提供:海上自衛隊)

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衆院は14日の本会議で、日本に飛来する弾道ミサイルへの迎撃手続きを定める自衛隊法改正案を自民・公明の賛成多数で可決した。与党は会期延長で、今国会で成立させ、06年度末に配備が始まるミサイル防衛(MD)の法的枠組みを整備する方針。同改正案が成立すると、短時間でミサイルが飛来する場合には、迎撃権限が防衛庁長官に委ねられ、現場指揮官の裁量が拡大する。

 自衛隊法改正案は、同法82条(海上における警備行動)に「弾道ミサイル等に対する破壊措置」を新たに追加し、◆弾道ミサイル飛来の兆候がある場合は、首相の事前承認を得て迎撃◆緊急の場合は、事前に作成する「緊急対処要領」に基づき防衛庁長官の命令で迎撃─の2類型を規定。迎撃後の国会報告も盛り込んだ。

 民主党は、文民統制(シビリアン・コントロール)の観点から迎撃措置後の国会承認の義務付けなど修正案を衆院安全保障委員会に提出したが、与党側は受け入れなかったため、反対に回った。【了】