両足の筋肉に肩…今シーズン4度目負傷の長友佑都に休養のススメ

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 インテルに所属する日本代表DF長友佑都が8日のパレルモ戦の前半、右太ももの屈曲筋を痛めて途中交代。10日には全治6週間が見込まれていることが発表された。

 負傷したシーンを振り返ってみたい。31分、長友はロベルト・マンチーニ監督に呼ばれて何らかの指示を受けた。その後、サイドでボールを持ってドリブルで上がっていく。パレルモのMFルカ・リゴーニに背後から押されるような形で一瞬バランスを崩して、前へつんのめったが倒れることなくそのままボールをキープし、ハーフラインあたりですぐに逆サイドへパスを送った。

 その2分後から、しきりに右太ももの裏側、ひざの上あたりを押さえてさするようになる。記者席から見ていたが、「まずい」とわかる仕草だった。その1分後、耐えられないようにピッチに両足を投げ出して座り込んでしまう長友がいた。明らかに右太ももの後ろ側にトラブルを抱えていた。準々決勝で敗退したアジアカップ後に右太ももの肉離れでシドニーから日本に一時帰国したことが頭をよぎった。

 今シーズンの長友にとって4度目の故障だ。昨年10月中旬には左ふくらはぎヒラメ筋を痛めた。11月27日のヨーロッパリーグ、ドニプロ戦ではGKと接触した際、グラウンドに肩から落ちて右肩を脱臼。高校時代を合わせると4度目の脱臼だった。そして年明けのアジアカップで右太もも、今回の右太もも屈曲筋の負傷となる。

 試合で接触プレーはつきもので、サイドバックから攻撃まで深く切り込んでいく長友には避けて通れない。だが、1カ月半に1度という頻度は多すぎる。守備陣に負傷者が多いインテルが選手起用に苦労しているのは明らか。けがを抱えつつ、見切り発車で試合に臨んでいる可能性はないのだろうか。選手たちは誰もが100%のコンディションでプレーしているわけではないことは重々承知だ。その上であえて言わせてもらいたい。ドクターの判断があり、本人の意思があったとしても、もう少し慎重に構える勇気も必要ではないか。

 28歳という年齢はプレーヤーとしてのピークに差し掛かる時期。「代表の試合からイタリアに戻ってきた時によくけがをする」と、本人も自覚している。これまで腰、左足など度重なるけがを乗り越えて再起してきた長友。今回をきっかけに、コンディション作りと復帰のタイミングについて、考え直してもらいたい。

文=赤星敬子