【焼き鳥酒場】毎日でも通いたい! 名古屋の厳選「焼き鳥の聖地」5店

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名古屋のあちこちに点在するという、焼き鳥に取りつかれた人々の聖地。味はもちろん、情緒もあれば、新しい息吹もある。そんな焼き鳥の名店探訪記。

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■後世に残すべき焼き鳥文化遺産『角屋』(名古屋・大須観音)

もしも、世界遺産に焼き鳥部門があったなら――大須にある『角屋』を推薦したい。何故なら角屋は、後世に伝えるべき“普遍的価値”を持った店だからだ。

価値その一は、創業より65年たった今も、さほど姿を変えていないところ。風情ある屋台のような古びた建物から、もくもくと煙があがる様は、「これぞ焼き鳥屋」といった佇まいだ。

価値その二は、価格。串焼きは、なんとすべて1本110円。今の時代にあり得ない値段だ。しかも味のほうは折り紙付き。

価値その三はシステム。焼き場へオーダーを通すのに拡声器を使い、タバコの灰は床に捨ててよい。さらに会計は昔ながらのおはじきの数で計算する仕組み。
以上の推薦理由に、異論を唱える者はいないだろう。

角屋(名古屋・大須観音)
創業は昭和24年。名古屋の焼き鳥文化を支えてきた草分け的存在。古くからの根強いファンが多く、中には親子三代で通ってくる常連客もいるとか。

住所:名古屋市中区大須2-32-15
営業:火〜土17:00〜21:30、日16:00〜21:00
休業:月
予算:1500円〜
予約:不可
喫煙:可
駐車場:なし
アクセス:地下鉄名城線・鶴舞線上前津駅8番出口より徒歩4分

■食べて、飲んで、元気になる焼き鳥屋の存在意義がここに『大須亭』(名古屋・上前津)

ガラッと引き戸を開くと、奥に延びる長いカウンターが目に飛び込んでくる。真ん中あたりに大皿料理が4、5皿ある。そのどれもうまそうだ。すぐ脇からジュージューと鶏を焼く音とともに香ばしい香りが漂ってきた。20年ぶりに足を運んだ店で目にした光景は、20年前と何ら変わりない、懐かしいものだった。

『大須亭』は昭和21年に創業。長らく名古屋の焼き鳥文化を担ってきた老舗だ。鶏は、名古屋コーチンと美濃鶏を掛け合わせたこだわりの鶏。刺身で食べられるほど新鮮な物を毎日仕入れている。その鶏に、創業以来注ぎ足されてきたたれをつけ、これまた年季の入った焼き場で焼いたその味は、単なる“うまい”を通り越している。

開店から間もなく、店内はみるみる常連客で埋まっていく。その多くが中高年のサラリーマンだ。焼き鳥を食べて、一杯引っ掛けて、マスターや女将とたわいない話をしては笑顔になる。それこそが明日への活力。常連が毎日でも通う理由はそこにあるのだ。20年前には分かる由もなかった、焼き鳥屋の真髄を見た気がした。

大須亭(名古屋・上前津)
昭和21年に創業。現在の場所に移ってきたのは30年ほど前のこと。二代目主人の太田和一さんは、血縁関係のない同店に、営業マンを辞して入ってきた異色の経歴の持ち主。

住所:名古屋市中区大須3-44-22
営業:17:00〜24:00(L.O.23:00)
休業:日
予算:2500円〜
予約:できれば予約を
喫煙:可
駐車場:なし
アクセス:地下鉄名城線・鶴舞線上前津駅8番出口出てすぐ

■二地域いいとこ取り! ハイブリッド焼き鳥『焼酎居酒屋 いもがらぼくと』(愛知・伏見)

焼き鳥は串で繋がる。焼き鳥店は焼き鳥で人と人を繋げる」。

この店で一夜を過ごせば、そんな格言のひとつも呟きたくなる。『焼酎居酒屋 いもがらぼくと』は、宮崎を中心とした九州料理の居酒屋ながら、どっぷり名古屋の夜に根付いた店。店に一歩踏み込めば談笑する名古屋弁が聞こえ、声の主達は一直線のカウンターに陣取り、酒と串を手に思い思いの話に華を咲かせる。

それもそのはず、店主の田村隆さんは、おそらく店内の誰よりも話し好き。その男らしいルックスからてっきり九州育ちかと思いきや、生まれは愛知県半田市。九州男児の師匠の元でみっちり修行した後、店を任されたのだそう。そう、いもがらぼくとは、九州と名古屋のハイブリッド焼き鳥店なのである。

さて、宮崎県といえば全国屈指の焼酎の産地。この店では宮崎の蔵元から直接焼酎を買い付け、その数たるや田村さんにも把握できないほど。豪快に炭火で焼き上げる日向鶏をはじめ、愛知県が誇る三河赤鶏の焼き鳥など、すべてが自慢の酒を引き立てる。もちろん酔客達は笑顔満面。ついつい隣合わせる人に話しかけてしまうのもモノの道理なのである。

焼酎居酒屋 いもがらぼくと(愛知・伏見)

名古屋の九州料理の名店『日向バンカラ』の姉妹店として伏見に生まれて10年。「赤提灯の情緒を意識した」という店内には250種以上もの焼酎が並ぶ。焼酎はもちろん、中には島外不出の泡盛「泡波」など、超希少なものもちらほら。

住所:名古屋市中区栄1-7-26
営業:月、水/17:00〜翌1:30(L.O.1:00)火、木〜土/17:00〜翌3:00(L.O.2:15)
休業:日
予算:3000円〜
予約:できれば予約を
駐車場:なし
喫煙:可
アクセス:地下鉄東山線・鶴舞線伏見駅6番出口より徒歩約5分

■若きオーナーが指揮する焼き鳥の銀河系軍団『レアル本店』(名東区・藤が丘)

藤が丘駅近くのガード下にある『レアル』で、評判のつくねを味わってみた。鶏肉やレンコンなどを混ぜ合わせた自家製つくねは、絶妙な食感か特徴。ワサビなどトッピングとの相性も抜群だ。1日限定30本。品切れになる前に注文したい。

オーナーの奥村悠介さんがこの店を始めたのは6年前。弱冠25歳の頃だった。繁盛店となった今の目標は「海外に出店すること」。店名のもととなったレアル・マドリードよろしく、焼き鳥の?銀河系軍団?となって、世界を席巻する日も近い?

レアル本店(名東区・藤が丘)
名古屋の名店「ひのてつ」で修行をした奥村さんが若くして独立して始めた店。2011年9月には、2店舗目の星ヶ丘店をオープン。どちらも多くの客で賑わう繁盛店に。

住所:名古屋市名東区宝が丘71 地下鉄ガード下
営業:17:00〜25:00
休業:木
予算:3500円〜
予約:当日の来店30分前から
駐車場:なし
喫煙:可
アクセス:地下鉄東山線藤が丘駅3番出口より徒歩5分

■名古屋焼き鳥新世代 キーワードは使い勝手『炭火焼き鳥 大銀杏』(名古屋・矢場町)

最近の名古屋焼き鳥界では、若い世代による新規出店が続いている。その代表格が、1年半前に開店した『大銀杏』だ。

地下鉄矢場町駅のほど近く、大きな白い看板と赤ちょうちんにいざなわれて、店内へ。そこに広がっていたのは、お洒落な空間だ。店構え同様にお洒落なメニューも。仔羊の香草焼きやトマトとバジルの串など、味のレベルもかなり高い。

会社帰りからデートまで、いろんな場面で使えます」と店主の伊藤優一郎さん。次世代の焼き鳥店に求められるのは「使い勝手の良さ」といえそうだ。

炭火焼き鳥 大銀杏(名古屋・矢場町)
店主の伊藤さん曰く「店名は単に響きがよかったから」。当面の目標は、10店舗ぐらいまでに増やすこと。鶏肉は三河産の錦総鶏を使用している。

住所:名古屋市中区栄5-2-18
営業:17:30〜24:00(L.O.23:00)
休業:水
予算:3000円〜
予約:できれば予約を
駐車場:なし
喫煙:可
アクセス:地下鉄名城線矢場町駅1番出口より徒歩2分

■名古屋グル名人

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