餃子の王将店員「怖くてどうしようもなかった」 男性客の全裸止められなかったのはなぜか
「餃子の王将」店内でホストクラブの男性6人が全裸になった写真がフェイスブックに載った問題で、報道などによると、ホストクラブ側は店の許可を取ったと主張している。餃子の王将側は従業員の制止を振り切ったとしているが、店ではその後何も対処していなかったことが分かった。
カウンター席に全裸の男性5人が座り、別の1人は通路を歩く後ろ向きの姿で映っている――。これが、金沢市片町のホストクラブがフェイスブックで使った問題のカバー写真だ。
「従業員の制止を振り切った」と説明
男性らはパンツも脱いだことが分かるように、わざわざイスの背もたれを横にして座っていた。
餃子の王将を展開する王将フードサービスによると、男性らが総勢10人ほどで金沢片町店に来たのは、2012年11月末〜12月初め辺りの朝6〜7時ごろだった。ホストクラブ側は店内で写真を撮る許可を事前に取ったが、「裸で撮らせてほしい」と言ってきたことには店側が断った。
男性らは、最初は飲食している様子を写真に撮っていたが、その後、従業員の白衣も貸してほしいと言ってきた。ホストクラブは店の真向かいにあり、男性らは常連客でもあったので、店側は予備の白衣を貸すことにした。
ところが、白衣を着た男性以外の6人が突然脱ぎ始め、従業員らが制止したものの、それを振り切って全裸になった。白衣の男性3人は厨房に入り、残りの男性がこの様子を写真に撮ったというのだ。
問題が発覚したのは、2013年9月1日になって店の客からとみられる匿名のメールが来たことだった。王将フードサービスで従業員に聞いたところ事実関係を認めたため、ホームページ上で3日にお詫び文を出した。そこでは、男性らが「公序良俗に反する不適切な行為」を行ったとし、店の営業を2日夕に停止したことを明らかにした。閉店も検討しているといい、男性らには損害賠償などを求める考えも示している。
外から丸見えで、AV撮影のうわさ
王将フードサービスによると、同時に石川県警にも相談し、県警を通じてホストクラブにカバー写真の削除を求めた。クラブのフェイスブックはその後、アカウントそのものが削除されている。
報道によると、ホストクラブ側は、クラブで配るカレンダー写真に使うため、餃子の王将の店からは、事前に許可を得ていたと説明した。写真については、「内輪で笑ってくれればいいと思った」と言っている。
とはいえ、王将フードサービスによると、この店は、24時間営業の店で、撮影当時は店内に客が数人いたという。また、店はガラス張りになっており、外から丸見えになっていた。
実際、ツイッターでは、撮影日に近い2012年12月8日に「片町の餃子の王将でAV撮影しとるらしい」といったうわさが流れていた。
こうした状況から、ネット上では、店側がなぜ警察に通報するなどの対応をしなかったのか疑問が出ている。
この点について、王将フードサービスの経営企画部では、店側が警察への通報や会社への報告をしていなかったことを認め、「そこまで考えが及ばなかったようですが、対処が必要だったと考えています」と取材に答えた。カバー写真では、左奥に店のアルバイトが立っているのが見えるが、「従業員を含めて2、3人しかおらず、相手は10人ほどもいるので怖くてどうしようもなかったようです」と説明している。